2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23730869
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
伊丸岡 俊秀 金沢工業大学, 情報フロンティア学部, 准教授 (20387351)
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Keywords | 読み支援 / 読み障害 / 視線 / タブレット端末 |
Research Abstract |
24年度は市販のタブレット端末上に文章を表示し、手動操作によってインタラクティブに読字領域を強調するシステムの作成および評価実験を行った。23年度までに実施した実験において、研究実施計画に策定していた視線計測を用いたシステムの安定動作が難しいことが示されたため、それに代わるシステムとして採用したものである。今年度作成したシステムは視線計測を用いたシステムに比ると、安定性がきわめて向上し、市販のタブレット上でスムーズに動作することが示された。 作成したシステムに対する評価実験においても、当該システムによって読みを促進できる可能性が示された。表示する文章の難易度、強調表示の範囲、強調部以外の可視性を操作して文章読解実験を行ったところ、特に難しい文章を読むときに強調表示が効果を持つことが示された。文章を読む際に、(1)読んでいる当該行、(2)当該行と前後1行、(3)当該行と前後2行を強調表示する条件および、強調表示する行以外の可視性を落とす場合と落とさない場合を設定したところ、当該行±1行を強調し、それ以外の可視性を落としたときに最も読みが促進された。 ただし、最適な強調表示のためのパラメータ決定には、その範囲、表示タイミングなど多くのパラメータについてをさらに検証する必要がある。25年度に最適なパラメータを決定するための実験を、学生および学習障害を持つ児童を被験者として実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
24年度まで作成を進めていた視線位置をもとにした読み支援システムが現段階では安定した動作が難しいと考えられたため、タッチ操作による支援に切り替え、システムの作成と評価実験を開始したため、当初計画よりもやや遅れて進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度は当初計画にあった視線によるシステムの試作版と24年度に作成したタッチベースのシステムの比較に加え、タッチベースのシステムを用いて障害児童に協力を求める実験を行い、目標の達成を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
タッチベースのシステムを障害児童に使用してもらうために、市販のタブレット端末を追加購入する。また、当初計画していた視線ベースのシステムの改善に向け、視線入力用のライブラリが開発されているマイクロソフト社のKinectを購入し、システムの試作を行う。
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