2011 Fiscal Year Research-status Report
W-constraints in Singularity Theory
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23740005
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
MILANOV Todor 東京大学, 数物連携宇宙研究機構, 特任助教 (80596841)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | リー環論 |
Research Abstract |
2011年度に於ける,私の主要な成果は単純特異点に対するW-制約条件に関するプロジェクトを完成させた事である。即ち、B.Bakalovとの共同研究により、単純特異点の全降下ポテンシャルは有る頂点代数の最高ウェイト(真空)ベエクトルとなる事を示した。その頂点代数の表現を我々はすでに知っていたが、主要な困難は,定理の証明にはその表現を解析接続する必要が有った事にある。更に詳しく言うと、その頂点代数の表現は形式円盤上定義された作用素値を持つ関数によって与えられる局所的なものであるが、我々が必要とするのは幾つかの穴があいたリーマン球上定義された作用素に値を持つ函数であった。その作用素値を持つ関数達をその或る一つの穴に制限することにより降下ポテンシャルに対する制約条件が得られ、他の穴達に於いてはA_1型特異点の頂点作用素代数の表現を得るのである。これによって我々は証明を既に知られていたA_1型の場合に帰着する事ができるのである。以上は生成的な場合の表現についてである。我々の構成は非生成的な値におけるポテンシャルの極限を見出すのに有効と思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
単純特異点に対する研究計画は当初予定より時間がかかり、現状は当初の予定より少し以前の状態にある。私の最終目標を達成するには更に二つの事項が有ると思われる。最初の点はW-代数の概念を修正する必要が有る。単純特異点に対して我々の持っている定義は単純楕円型特異点に対してはその交差形式が退化する事から自動的に適用出来ない。別の言葉で言うと、スクリーニング作用素に対する正しい定義を見いだす必要が有る。第二の点はスクリーニング作用素の核を計算する事である。
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Strategy for Future Research Activity |
次の二つの段階は境界特異点の場合と射影直線のランダウ-ギンズブルク模型の場合である。最初の場合については、私はすでに周期積分を計算したがこの場合も主な問題はどの様にW-代数を定義するのかが問題である。その場合には消滅サイクルのみならず半消滅サイクルが有るので以前の定義をそのまま用いるわけにはいかない。境界特異点を単純特異点のZ/2によるある折りたたみと思うならば、すべて我々の以前の計画から得られる。他方B型やC型のルート系の場合は既に詳しく研究されている文献がある。更に話を進める前に、数ある構成のうちで我々の場合に取ってどれが適切であるか現在検討進めている。また境界特異点に対するジベンタルの降下ポテンシャルは単純特異点の場合にはなかった様な対数的な従属性を持って居る。この従属性を反映する様な幾何学を理解する事は興味ある事と思われる。私はShen(Yongbin Ruanの学生)に FJRW-理論に於けるフロベニウス構造と境界特異点に対するフロベニウス構造を比較する事を求めている。射影直線のランダウ-ギンズブルク模型に関して状況は更にチャレンジングである。この場合が、単純楕円特異点の時にどの様にするべきかを教えてくれる。菅原構成及び捩じれた周期積分(F(x)^m dx_1...dx_nなる型の形式(ここでmは任意の複素数)を積分しようとする時に登場するもの)によりヴィラソロ代数を構成する事が出来る。夫々に応じて、我々の積分は或る局所系を係数とするホモロジーサイクル上行われる。その利点はそのようなホモロジーサイクルの交差形式は自然に非退化なエルミート形式を引き起こし、正規化されたヴィラソロ作用素達を得るいわゆる菅原構成を遂行出来るからである。ヴィラソロ代数を回復するにはmを非負整数に近づければ良い。私のアイデアは捩じれた周期を用いる事により頂点作用表現を正規化する事にある。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
現在の予算計画(1610,000円)は下記のとおりである。a.ワークショップ参加(ドイツ)200,000 b.国際会議参加(Luminy, France) 100,000 c.共同研究者 B.Bakalov IPMU招聘(夏)400,000 d.B.Bakalov, Y.Ruan との研究打ち合わせ(冬)500,000 e.書籍、物品購入100,000 f.国内会議参加、Visitorの旅費サポート(夏) 310,000共同研究のための出張ならびに研究成果発表のための会議参加を申請した。
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