• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2011 Fiscal Year Research-status Report

重さ半整数ジーゲル保型形式におけるリフティングの研究

Research Project

Project/Area Number 23740018
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

林田 秀一  大阪大学, インターナショナルカレッジ, 准教授 (80597766)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywords国際研究者交流 / ヤコビ形式 / ジーゲル保型形式 / ヒルベルト保型形式 / ドイツ / アメリカ
Research Abstract

研究成果の内容:研究代表者は2つの楕円保型形式から重さ半整数のジーゲル保型形式へのリフティングの予想を昨年度までに部分的に解いていたが、今年度はその研究結果について、国際研究集会や代数学シンポジウムなどの研究集会において講演を行った。また、その証明のキーであった次数3の重さ半整数のジーゲル保型形式における一般化マース関係式、に関する結果を論文にまとめ投稿した。さらに、次数3の重さ半整数のジーゲル保型形式において、数論ソフト Sage を用いてフーリエ係数の計算を行い、ヘッケ作用素の固有値を求め、p=3 でのオイラー因子を具体的に計算することにより、3つの楕円保型形式から次数3の重さ半整数のジーゲル保型形式へのリフティングが存在するであろうことの根拠を実験により得た。研究成果の意義および重要性:n個の楕円保型形式から次数nの重さ半整数のジーゲル保型形式が構成できることは、次数2の場合の時の構成法を反復的に行うことで分かる。また、ザルコフスカヤの定理が重さ半整数のジーゲル保型形式についても成り立つことにより、次数nの一般化コーエン型アイゼンシュタイン級数が、n個の一変数アイゼンシュタイン級数の組からのリフトと見なせる、ということもこれまでの研究により分かっている。このリフトがカスプ形式の場合に対しても成り立つであろうということは、重さ半整数のジーゲル保型形式が高次元L関数の研究に役立つことを示唆しており、次数3においてリフトの根拠を得たことは意味がある。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

楕円保型形式と重さ半整数のジーゲル保型形式の組から、重さ半整数の別のジーゲル保型形式へのリフティングを得ることを目標としている。リフティングの行き先が次数2の場合については、これまでの研究により得られており、この一般化を得ることが本研究の目的である。リフティングの構成法はすぐに分かるが、この構成したジーゲル保形形式がヘッケ作用素の同時固有関数となることを示し、その L 関数についての表示を得る必要がある。今年度は次数が3の場合について実際に重さ半整数のジーゲル保型形式のフーリエ係数を計算機で計算することで、リフティングの根拠を得た。本研究では、マース関係式を高次元の重さ半整数ジーゲル保型形式の場合に拡張することで、リフティングを得ることを目論んでおり、その場合、ヤコビ-アイゼンシュタイン級数にシフト作用素を作用させることでマース関係式を得る予定であったが、そこに出てくる一般化ガウス和の形が複雑になることや、ジーゲル-アイゼンシュタイン級数のフーリエヤコビ係数とヤコビ-アイゼンシュタイン級数を結びつける関係式が煩雑になることから、直接、フーリエ-ヤコビ係数にシフト作用素を得る必要性があると考えるようになった。この為、計画していた一般化マース関係式はまだ得ていない。

Strategy for Future Research Activity

一般化マース関係式を得るために、ジーゲル-アイゼンシュタインのフーリエ-ヤコビ係数(ただし指数は半整数対称行列)に、"直接"、ヤコビ形式のシフトチェンジ作用素を作用させたものを計算する。またヤコビ形式のジーゲル-ファイ作用素(次数の低いヤコビ形式への写像)とシフトチェンジ作用素との可換性について調べる。また、既に得られている次数3の一般化マース関係式を用いて、重さ半整数ジーゲル保型形式のフーリエ-ヤコビ係数から得られるディリクレ級数の性質について調べる。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

多変数の保型形式の研究の為に、国内の研究集会や、ドイツ-アメリカに行き、研究発表および意見交換をする。また、ノートブックパソコンを購入する予定である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2011

All Presentation (3 results)

  • [Presentation] 二つの楕円保型形式からの重さ半整数Siegel保型形式へのリフト2011

    • Author(s)
      林田秀一
    • Organizer
      第19回整数論サマースクール
    • Place of Presentation
      富士箱根ランド
    • Year and Date
      2011年9月9日
  • [Presentation] Cohen type Eisenstein series of degree two and a relation among Fourier coefficients.2011

    • Author(s)
      林田秀一
    • Organizer
      2011 International Conference on Number Theory
    • Place of Presentation
      上海交通大学
    • Year and Date
      2011年8月17日
  • [Presentation] 次数2の重さ半整数ジーゲル保型形式へのリフティング2011

    • Author(s)
      林田秀一
    • Organizer
      第56回代数学シンポジウム(招待講演)
    • Place of Presentation
      岡山大学
    • Year and Date
      2011年8月11日

URL: 

Published: 2013-07-10  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi