2012 Fiscal Year Annual Research Report
非有理的な頂点作用素代数の表現のフュージョン則の研究
Project/Area Number |
23740019
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
有家 雄介 筑波大学, 数理物質系, 助教 (50583770)
|
Keywords | 頂点作用素代数 / 共形場理論 / フュージョン則 |
Research Abstract |
前年度までに得られた、シンプレクティックフェルミオン型の頂点作用素代数の既約加群の間のフュージョン積に関する結果を論文として公表した。また、上記の頂点作用素代数の超代数版となるものの対数型交絡作用素およびフュージョン積に関する結果をいくつかの研究集会で報告した。 研究面では、愛媛大学の安部利之氏と共同で、前年度考察していた対数型の交絡作用素ではなく、期待されるフュージョン積の構造との関係から、超代数およびその加群のパリティーに対応する補正を行ったものを考えることが必要であることを見出した。また、フュージョン積を定義すべき加群圏も超代数構造に対応した次数付のあるもの(超加群と呼ばれている)を考える必要があることを見出した。そこで、いままで得られた結果をこの新しい対数型交絡作用素に翻訳するとともに、一般論に関しても修正を加えた。さらに、通常の頂点作用素代数の加群のフュージョン積の類似として、超加群の圏のフュージョン積を定義し、射影加群同士のフュージョン積の直既約分解を計算した。これらの内容は現在論文を準備中である。 また、フェアリンデ型の公式への応用をめざし、頂点作用素超代数とその自己同型に付随する一点共形ブロックの空間の構造に関する研究を行い、その基底となることが期待される捩じれ加群上の関数を定義し、この関数が特別な場合には期待される性質を満足することを証明した。この内容は、台湾で行われた国際会議で報告した。今後この内容を発展させ、一点共形ブロックの空間の基底を捩じれ加群上の関数で実現することを目的とする研究を行う予定である。
|
Research Products
(4 results)