2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23740029
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
軍司 圭一 千葉工業大学, 工学部, 助教 (00550659)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 多変数保型形式 |
Outline of Annual Research Achievements |
レベル付きのIkeda liftの構成に関して,最終年度では以下に述べるような成果を得た. まず,すでにIbukiyamaによって得られている,次数2のレベル付きIkeda lift(Saito-Kurokawa lift)と呼ばれる)との類似により,一般の次数のIkeda liftを構成する予想は得られている.それを証明するに当たり,持ち上げられる楕円保型形式が (i) old formの場合 (ii) new formの場合,の2つに分けて考える必要がある.まず(ii)のnew form の場合であるが,これはオリジナルのIkeda liftの場合,すなわちレベルが1である場合の証明とほぼ同様にできることが期待される.実際その証明の鍵となる部分は,ほとんどが保型表現の言葉を使って一般的な枠組みで証明されており,レベルの有無はあまり問題にならない.もちろん実際の証明にあたってはすべての部分を丁寧にフォローしていく必要はある. そこで本年度は(i)のold form の場合についての考察を主に行った.この場合は,レベル1の楕円保型形式を(a)オリジナルのIkeda liftで持ち上げた場合,と(b)レベル付の保型形式とみなして持ち上げた場合、の2つの持ち上げの間の関係を見ることになる.次数が2のSaito-Kurokawaの場合,この関係はIbukiyamaによって与えられているが,そのままでは高い次数への場合にどうなるかが見えてこない.そこで,その関係式をHecke作用素の言葉を使って書き表わすことで高い次数の場合への拡張の予想を行った.さらに計算機を使ってそれらを実例でチェックし,証明の道筋の考察を行った.
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