2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23740032
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
那須 弘和 東海大学, 理学部, 講師 (30535331)
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Keywords | 無限小変形 / ヒルベルトスキーム / 障害類 / 変形理論 / 空間曲線 |
Research Abstract |
本研究の目的は高次元代数多様体上の曲線の無限小変形の障害類が消えないための条件を明示的に与える事である。Mumfordの与えた、空間曲線のヒルベルトスキームの生成的に被約でない既約成分の例を一般化、もしくは簡易化することにより、曲線の変形障害と曲線を含む曲面上の第一種例外曲線との間の関係を理解する事を目的として研究を行っている。 最終年度である平成24年度は、非特異4次(K3)曲面に含まれる空間曲線の射影空間内における変形障害について研究を進め、第一種例外曲線に限らず自己交点数が負(例えば-2に等しい)の有理曲線からも被障害変形を持つ曲線の例(ヒルベルトスキームの被約でない既約成分の例)を構成した。研究成果をまとめ、9月にハワイで開催された国際研究集会に於いて、また翌年3月にはノルウェーのオスロ代数学セミナーに於いて、空間曲線の変形障害に関する講演を行った。またノルウェー滞在中にKleppe教授と集中的議論を行い、Noether-Lefschetz軌跡に関するとある写像の全射性の証明を学ぶことができたのは大変有意義であった。また国内では、東京大、佐賀大、関西学院大、京都大の研究集会や学会に参加し、関連する興味深い話題に触れ、他の参加者と議論を行った。 今後の研究においては、1位無限小変形に対する障害性判定定理の更なる精密化を図り、代数曲線の変形障害やヒルベルトスキームの非被約既約成分に関する理解が進むように努めたい。
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Research Products
(5 results)