2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23740039
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Research Institution | Kagawa National College of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 文敏 香川高等専門学校, 一般教育科, 講師 (20548309)
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Keywords | Gromov-Witten不変量 / 局所化定理 / Abel商 / 非Abel商 |
Research Abstract |
複素非特異射影代数多様体XのGromov-Witten不変量は代数多様体Xへの安定写像のモジュライ空間の交点数として定義される。任意の射影代数多様体Xから1点への写像を考えることにより代数多様体Xへの安定写像のモジュライから1点への安定写像のモジュライ空間つまり安定曲線のモジュライ空間への写像が自然に存在する。この写像の引き戻しを使うことによって安定曲線のモジュライ空間の交点数の関係式から任意の多様体XのGromov-Witten不変量の関係式を得ることができる。そのため、安定曲線のモジュライ空間の交点数の帰納的な関係式の研究は非常に重要である。 当該年度においては、1次元の複素射影空間への次数2の安定写像のモジュライ空間へ関手的局所化定理を使うことにより任意種数の安定曲線のモジュライ空間の交点数の関係式の族を発見した。この関係式は以前に研究代表者自身が1次元の複素射影空間への次数1および2の安定写像のモジュライ空間に関手的局所化定理を使うことにより発見した関係式とは線形独立なものになっている。 現段階においてはこの新しく発見した交点数の関係式の族がどのような意味を持つのか全くわからない状態にあるので、2014年度にはこの関係式の族から得られる微分方程式がどのような物理的意味を持つのかを探っていきたい。 また、今回は次数2の安定写像のモジュライ空間を使って新しい関係式の族を発見したわけであるが、これをさらに一般化して次数3の場合や任意次数の場合へと拡張していきたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1次元の複素射影空間への次数2の安定写像のモジュライ空間へ関手的局所化定理を使うことにより任意種数の安定曲線のモジュライ空間のtautological ring内の関係式の族を新たに発見したので。
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Strategy for Future Research Activity |
現段階においては今回新しく発見した交点数の関係式の族がどのような意味を持つのか全くわからない状態にあるので、2014年度にはこの関係式の族から得られる微分方程式がどのような物理的意味を持つのかを探っていきたい。 また、2次の安定写像のモジュライ空間を使って新しい関係式の族を見つけたわけであるが、これを任意の次数へと一般化することを試みたい。今のところ、次数が3の場合には一般化できそうであるが、そのアルゴリズムはあまりに複雑であり4次以上の場合にそのアルゴリズムを一般化することは不可能であるように思える。そのため、まずは、次数1,2の時のような道筋のよいアルゴリズムを次数3の場合にも見つけだすことが必要である。そこで、次数3の場合の関係式を求める簡明なアルゴリズムを見つけだしたい。
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Research Products
(3 results)