2012 Fiscal Year Research-status Report
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23740040
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
渡邉 忠之 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (70467447)
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Keywords | Morse理論 / Chern-Simons摂動理論 / Morse-Novikov理論 / 3次元多様体 / グラフ複体 / 同変不変量 / 埋め込み / 配置空間 |
Research Abstract |
1.前年度の結果により、1次ベッチ数1の3次元多様体の不変量を、円周値モース関数の組に対するモースホモトピー理論を使って構成するためには、フローグラフのモジュライ空間がコンパクトであるか、または非コンパクトであった場合に値が発散しないことを確かめる必要があった。当該年度は、問題となっているフローグラフのモジュライ空間のコンパクト性について研究した。特に3次元多様体がS1×S2の場合にモジュライ空間の位相を詳しく調べ、その結果、モジュライ空間がコンパクトであることは一般には期待できないが、そのコンパクトでない度合いが、不変量を構成するには支障がない程度であることをS1×S2の場合に確認した。すなわち、円周値モース関数の組に対するフローグラフのモジュライ空間はS1×S2の2点配置空間の4次元部分多様体だが、それを「変形」してQ(t)係数のチェインを具体的に構成した。そのチェインは、Lescop氏による同変交差理論を使った不変量が定義できるための条件を満たしており、同変不変量が定義できる。ただし、S1×S2に対してその不変量の値が0となることがLescop氏により示されている。以上をより一般の3次元多様体へ一般化することは次年度の課題である。 2.円周値モース関数と勾配ベクトル場を変形した時にノビコフ複体に起こりうる変化を具体的に記述したことを、論文にまとめた。 3.ユークリッド空間からユークリッド空間への埋め込みの空間のホモロジーについて、信州大学の境圭一氏と議論し、R3のR5への埋め込みの空間の有理係数2次ホモロジーが無限次元であろうという予想の証明に必要な、リー代数のウェイト・システムを構成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度末の時点ではフローグラフのmoduli空間が非コンパクトである場合に不変量を構成する手段がなかったが、特別な場合に非コンパクトでも差し支えないことが示されたため。
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Strategy for Future Research Activity |
S1×S2の場合に構成したモース理論的チェインの変形に関する結果を論文にまとめる。S1上の曲面束の場合に同様のことが示せるかどうかを研究する。また、球面ファイバー束の有理ホモトピー分類の研究をする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(1 results)