2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23740049
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
深谷 友宏 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 講師 (40583456)
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Keywords | Coarse Baum-Connes予想 / 相対双曲群 / コンパクト化 |
Research Abstract |
距離空間の大域的な構造から定まる作用素環に関する予想である,Coarse Baum-Connes予想の研究を行っている. これまでの研究で,相対双曲群の場合には,相対化している部分群(peripheral subgroups)に対してCoarse assembly mapが同型であり,その分類空間を有限の単体複体で実現できるならその相対双曲群に対しても,分類空間を有限の単体複体で実現でき,Coarse assembly mapが同型になることを示した. これで相対双曲群の場合に,適切な条件の元ではCoarse K-homologyとRoe-代数のK群が一致することが分かったが,結局それらを具体的に決定することには至っていない.そこで,相対双曲群に適切な境界を構成して,その境界を用いてCoarse K-homologyを計算する方法を開発した.すると,先のcoarse assembly mapが同型であるという定理と合わせて,相対双曲群のRoe代数のK群を計算する手段が与えられた事に成る.特に具体例として,完備Riemann多様体で,局率が0と負の無限大の間に挟まれているようなものの,基本群のRoe代数のK-群を決定した. 最近ではさらに距離空間の直積に関して,Coarse assembly mapがどのように振る舞うか調べた.その為に,直積空間のに対し,Coarse geometryの意味で,よいコンパクトを定義し,適当な条件の元では,そのコンパクト化が可縮である事を示した.成果として,ある種の相対双曲群とCAT(0)群とpolycyclic groupの直積がCoarse Baum-Connes予想を満たす事が示された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
相対双曲群とCAT(0)群とPolycyclic 群の直積群に対する境界を構成し,Coarse Baum-Connes予想を証明できた事は,双曲群の範疇を超えた,様々な「非正曲率」をもつ群に対する良い境界を構成し,それを用いてCoarse Baum-Connes予想に挑むという目的を有る程度達成していると言える.
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Strategy for Future Research Activity |
国内外の研究者と協力して,これまでに得られた手法を,さらに広い範疇の群に対して拡張する事を目指す.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度は長期間海外の研究機関に滞在し,滞在先での研究に大半の時間を費やした.この滞在は,当該助成金を申請した時点では計画されていなかったものであり,そのため申請時に想定していた研究費の使用計画に変更が生じたため. 研究の遂行に必要な機材(計算機等)の購入及び,研究打ち合わせに関わる旅費に使用する.
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