2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23740067
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
丸山 祐造 東京大学, 空間情報科学研究センター, 准教授 (30304728)
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Keywords | ベイズ統計学 / 予測分布 |
Research Abstract |
平成25年度は,縮小型事前分布を用いたベイズ統計的推論のうち予測分布の構成に関して集中的に研究した.具体的には,正規分布に従う確率変数ベクトルからn個の標本が観測されている場合に,n+1番目に得られる同じ正規分布からの確率変数ベクトルの分布を推定する問題である.最も単純なのは,n個の観測値による最尤推定量などの適当な推定量を密度関数にプラグインする方法であるが,それは決定理論の観点からは非許容的になり,右不変事前分布に基づくベイズ予測分布が優越することが知られている.正規分布の分散を既知とする場合には,深く研究されてきた.Komaki (2001,Biometrika)は正規分布の次元が3以上の場合に,調和型縮小事前分布に基づくベイズ予測分布が,右不変事前分布に基づくベイズ予測分布を優越することを示した.これを一般化する形で,George et al (2006,Annals of Statistics)が分散既知の設定においては,平均ベクトルパラメータの推定と予測分布の推定が本質的に同等であることを示した.正規分布の分散を未知とする場合は,Kato (2008,AISM)が正規分布の次元が3以上のもとでKomaki (2001)に対応する結果を示した.私は,いくつかの観点から問題の構造が分散が既知と未知の場合で本質的に違っており,次元が1や2の場合でも縮小型事前分布に基づくベイズ予測分布が優越するはずだと予想を立てた.結果として,n=2という追加的な条件が必要であるが,その予想が正しいことを示した.この研究は,フランスINRIAのBoisbunon研究員との共同研究であり,Biometrikaに掲載されることになった.
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Research Products
(2 results)