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2011 Fiscal Year Research-status Report

暗号、符号、擬似乱数のための離散数学研究

Research Project

Project/Area Number 23740070
Research InstitutionOchanomizu University

Principal Investigator

萩田 真理子  お茶の水女子大学, 大学院人間文化創成科学研究科, 准教授 (70338218)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywords誤り訂正符号系列 / M系列 / 擬似乱数 / グラフ彩色 / 分散彩色 / 共有鍵暗号
Research Abstract

相互に関係の深い、以下の3種類の研究を行った。1:既に特許出願している暗号アルゴリズムの評価・改良を行うための研究。これらの暗号を評価するため、比較対象である標準暗号AESの混ざり具合をさまざまな方法で統計的検定により評価した。いくつかの変換を繰り返し施して暗号化する場合には、変換の種類や回数を減らして混ざり具合を計ることで変換の乱数性を評価できることが確認された。2:グラフの分散彩色についての研究。グラフの分散彩色問題とは、与えられた色数で、グラフの頂点を同色の異なる二点の距離の最小値が大きくなるように彩色する問題である。与えられたグラフを分散彩色するアルゴリズムについての評価方法として、計算量や計算空間の他に、同色2頂点間の距離の最小値の大きな彩色、同色2頂点間の距離(または距離の2乗、距離の1/2乗)の逆数の和(以下これらを重みという)の小さな彩色を良い分散彩色として、評価することとし、これらの評価方法が実際に目的に合っているか、どちらの重みが良い指標となるかの検討を進めた。3:誤り訂正系列符号の存在性についての研究。誤り訂正系列符号はGF(q)の元の巡回系列で、そのk部分列の集合が符号となるものである。これまでにM系列と符号理論の両方の研究手法を用いて存在条件を求めている。有限体を生成するための原始既約多項式として、よく探されている3項式とは逆に、項数が半分くらいでバラバラに散らばっているものが必要になり、また随分昔に研究されていたド・ブライン系列が役立つなど、応用に適さないと思われていた離散数学が実用化に結びつきそうになっている。平成23年度は2個の誤りを訂正する場合についての研究を進め、1個の誤り訂正符号系列として良いパラメータを持った系列が、必ずしも2個以上の誤り訂正符号系列として良いパラメータを持つとは限らないという結果を得て、国際会議などで発表した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

研究自体は順調に進展しているが、東日本大震災の影響もあり、特に前期の授業が立て込んでいたために出張を控えたことと、海外からの関連分野の研究者の来日も少なめであったため、研究交流の機会が少なめであった。このため予算の執行額が少なめとなったが、その分今年度以降に積極的に研究発表の機会を持つようにしたいと考えている。具体的には、研究実績の概要に記載した関連する3種類の研究のうち、3:誤り訂正系列符号の存在性についての研究では当初の期待以上の成果が得られた。2個の誤りを訂正するGF(2)上の誤り訂正符号系列についての研究を進め、1個の誤り訂正符号系列として良いパラメータを持った系列が、必ずしも2個以上の誤り訂正符号系列として良いパラメータを持つとは限らないという面白い結果が得られ、平成24年3月にCaltechで開催された国際会議FilsonFestなどで発表することができた。1:既に特許出願している暗号アルゴリズムの評価・改良を行うための研究では、比較対象である標準暗号AESの混ざり具合をさまざまな方法で統計的検定により評価した。いくつかの変換を繰り返し施して暗号化する場合には、変換の種類や回数を減らして混ざり具合を計ることで変換の乱数性を評価できることが確認されたが、目標の暗号での結果に結び付けるにはもう少し研究を進める必要がある。2:グラフの分散彩色についての研究では、分散彩色アルゴリズムの評価方法として、同色2頂点間の距離の最小値の大きな彩色、同色2頂点間の距離(または距離の2乗、距離の1/2乗)の逆数の和の小さな彩色を良い分散彩色と定義し、これらの評価方法が実際に目的に合っているか、どちらの重みが良い指標となるかの検討を進めた。今後はこれらの評価方法についてまとめて成果発表するとともに、具体的なアルゴリズムの評価、改良、分散彩色の存在条件についての研究を進めたい。

Strategy for Future Research Activity

相互に関係の深い、以下の3種類の研究を引き続き進める。1:既に特許出願している暗号アルゴリズムの評価・改良を行うための研究では、これまでに比較対象である標準暗号AESの混ざり具合を、偏りのある集合の変換先の集合の偏りを統計的検定で調べるなど、いくつかの方法で評価した。何種類かの変換を繰り返し施して暗号化する場合には、変換の種類や回数を減らして混ざり具合を計ることで変換の乱数性を評価できることが確認された。今後は目標の暗号と、関連する新しい暗号アルゴリズムについて、同様の手法で乱数性を評価することで比較し、また提案した暗号アルゴリズムの改良を行っていきたい。2:グラフの分散彩色についての研究では、分散彩色アルゴリズムについての評価方法として、計算量や計算空間の他に、同色2頂点間の距離の最小値の大きな彩色、同色2頂点間の距離(または距離の2乗、距離の1/2乗)の逆数の和の小さな彩色を良い分散彩色として、評価することとし、これらの評価方法が実際に目的に合っているか、どちらの重みが良い指標となるかの検討を進めた。今後はこれらの評価方法についてまとめて成果発表するとともに、すでに検討している具体的なアルゴリズムの評価、改良を行いたい。また、分散彩色の存在条件についての研究も進めたいと考えている。3:誤り訂正系列符号の存在性についての研究では、GF(2)上の2個の誤りを訂正する場合についての研究を進め、1個の誤り訂正符号系列として良いパラメータを持った系列が、必ずしも2個以上の誤り訂正符号系列として良いパラメータを持つとは限らないという結果を得た。GF(q)上でも同様の手法で状況を調べ、2個以上の誤りを訂正する誤り訂正符号系列の存在条件と構成法についての研究を進めたい。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

出張先でも研究ができるように、持ち運び用のノートパソコンを最新のものに更新する。また、これまでに得られた研究成果と、今後得られる結果を国内外の研究集会で発表するための海外出張旅費、国内旅費が必要となる。また、研究結果を整理するための研究補助を依頼したいと考えていて謝金を多めに必要としている。

  • Research Products

    (4 results)

All 2012 2011

All Presentation (4 results)

  • [Presentation] グラフの分散彩色の評価2012

    • Author(s)
      萩田真理子、菊池智子、山口真実
    • Organizer
      日本応用数理学会研究部会連合発表会
    • Place of Presentation
      九州大学伊都キャンパス
    • Year and Date
      2012年3月8日
  • [Presentation] 2-誤り訂正符号系列の存在条件2012

    • Author(s)
      萩田真理子
    • Organizer
      関西グラフ理論研究集会
    • Place of Presentation
      加計国際学術交流センター
    • Year and Date
      2012年3月7日
  • [Presentation] 2-error correcting sequence2012

    • Author(s)
      Mariko Hagita
    • Organizer
      WilsonFest: A Conference in Honor of Rick Wilson
    • Place of Presentation
      Caltech(アメリカ)
    • Year and Date
      2012年3月29日
  • [Presentation] 誤り訂正符号系列について2011

    • Author(s)
      萩田真理子
    • Organizer
      研究集会『離散数理構造とその応用』
    • Place of Presentation
      名古屋大学多元数理科学棟
    • Year and Date
      2011年11月19日

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Published: 2013-07-10  

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