2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23740079
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
大下 承民 岡山大学, 自然科学研究科, 准教授 (70421998)
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Keywords | 偏微分方程式 |
Research Abstract |
本研究の目的は、非線形楕円型偏微分方程式の解の部分多様体への集中現象、反応拡散系における空間的に集中した解の時間振動現象, 非線形波動方程式の自由振動共鳴現象など、非線形偏微分方程式における種々の集中・振動現象を、変分法、リャプノフ・シュミットの縮約法、分岐理論、不変多様体理論、漸近展開法などの手法により解明することである。非線形現象に現れる複雑な時空間パターンの形成およびダイナミクスの解明は、数学のみならず物理学・化学・ 生物学・工学に至るまで自然科学の諸分野において重要な研究テーマであり、解析的手法または数値計算的手法により多くの研究がなされている。近年、分岐理論・中心多様体理論・特異極限法などの解析手法の開発により、多くの特徴的な解の情報を理論的に得ることに成功している事例はあるものの、そのような状況は限定的であり本格的な理論構築が待望されている。 一方で、反応拡散系の数値シミュレーションにより複雑な時空間パターンをコンピュータ上で再現するなど理論的には証明されていないが多くの数値的知見を得る場合も多い。 そこで、個々の問題に別々に用いられてきた解析手法を整理・集約し互いに共有し、複雑な非線形現象の解明に必要な手法を開発する足がかりとするため、この分野の研究者を国内および海外から招聘し、研究代表者として副代表者とともに、RIMS 研究集会「非線形現象に現れるパターン形成の数理解析」を開催し、研究討論を行なった。今後は、特異極限における界面や部分多様体への集中現象を縮約法によりさらに理論的に解明していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
リャプシュミット法では、特異極限問題においてスペクトルの共鳴現象の理論的解析が非常に複雑な計算を要するため。
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Strategy for Future Research Activity |
特異極限における界面や部分多様体への集中現象を縮約法によりさらに理論的に解明していく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
予定していた出張が家族の問題などで出来なくなってり、パソコンの入荷が遅れ年度内に間に合わなかったため。また、次年度の海外出張のため。 研究に関する最新の研究動向調査をし、海外の世界最先端の研究の流れをつかみ、活発なディスカッションや意見交換をし研究を深く進めていくため、国内外で行われる研究集会や学会に参加する。 さらに, 研究の資料収集および研究成果発表のためパソコンや書籍の購入費、および通信費や論文別刷費用などが必要となる。
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