2013 Fiscal Year Annual Research Report
ジャンプ過程に対する統計的漸近推測理論の構築とその応用
Project/Area Number |
23740082
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
増田 弘毅 九州大学, マス・フォア・インダストリ研究所, 准教授 (10380669)
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Keywords | 統計的漸近推測 / 確率微分方程式モデル / ジャンプ過程 |
Research Abstract |
本研究の主眼はジャンプ型確率微分方程式モデルの漸近推測理論の基盤構築である.当初掲げた主たる課題は以下の通り:(1)正規型疑似最尤推定量の漸近挙動の解明;(2)正規および非正規ノイズ過程を簡単に判別するための検定統計量の提案とその漸近挙動の解明;(3)レヴィ駆動型オルンシュタイン-ウーレンベック過程の最小絶対偏差推定量の収束率および漸近混合性規性の導出;(4)非正規型の疑似最尤推定量の漸近挙動の解明. まず(1)および(2)については当初の研究計画を改善する水準で遂行でき,出版されるに至った.本研究により,非正規ノイズの存在下で正規型疑似尤度を用いた場合には拡散過程と全く異なる漸近現象が起こる事が明らかとなり,ジャンプ部分検出の重要性を浮き彫りにした;Masuda (2013, Ann. Stat.).このジャンプ検出は,Masuda (2013, Stoch. Proc. Appl.)によって微調整パラメータを必要としない自己規格化残差統計量の解析をもって解決できた.モデルが連続であるという帰無仮説の下でモデルフリーな,従って実用性の高い検定方式が得られ,更に,任意のジャンプ部分の存在および拡散過程の場合の係数(モデル)誤特定の検出を,一致性をもって統一的に行える手法を開発できた.上記は共に様々な非正規性を有する従属データへ直接適用可能な方法論である. 研究内容(3)と(4)については,マルコフ型の場合を対象として当該推定量の漸近混合性規性を示すという当初の計画は達成でき,国際会議(ISI 2013 Hong Kong, EMS 2013 Budapest, etc.)で発表したが,本研究期間中の出版確定には至れなかった.目下,応用上重要な確率回帰型モデルを包含すべく,非マルコフ型および外部要因の介在を許す柔軟な設定を扱うための洗練化を試みている.
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Research Products
(16 results)