2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23740088
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
夏井 利恵 日本女子大学, 理学部, 准教授 (60398633)
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Keywords | エルゴード理論 / 測度論的数論 / ユークリッドアルゴリズム |
Research Abstract |
当該年度は,前年度の研究を継続・発展させ,数の持つランダム性についてエルゴード理論から新たな解釈を発見することに焦点を当てながら具体的な数論的変換に対し数の振舞いを探った.研究実施計画に従って推進した主な研究は以下の通りである. [1]「形式的べき級数に対するユークリッドアルゴリズム(EA)のエルゴード理論的考察」 非アルキメデス数体上でEAにエルゴード理論と測度論的数論から新たな解釈を与えることを試みた.ここでは,Farey mapの創出を効果的に用いながらcost functionの評価を行った点が特徴である. 当該年度は本成果を基に高次元化へと拡張して行く研究にも着手し始めた.fibred systemの研究への大きな前進となった意味でも重要な研究成果と言える. 本研究はフランス出張等によりV.Berthe, B.Vallee, H.Nakadaとの共同研究として効果的に推進した. [2]「標数正理論の中でのpolynomial group actionの創出とエルゴード理論的考察」 形式的べき級数上でpolynomial group actionの創出を試みamenable group action等に対して成り立つエルゴード理論的性質を追った.ここでは数論的対象にエルゴード理論的研究を導入し,数の振舞いをエルゴード理論的観点から捉える.当該年度は形式的べき級数に対するFarey mapについてグラフ理論から新たな解釈を試みた.本研究は韓国出張等によりDH.Kimと研究討論を重ねながら今後も共同研究として推進,継続する. また,活発な研究活動の一環として,当該年度は国際研究集会の開催に関して,6月に京都大学でorganizerとして,12月に日本女子大学で主催者として従事した.この活動により国内外の研究者との研究交流等を行うことが出来,研究推進に効果的であった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上述の当該年度における研究業績の通り,国際研究集会の開催や海外研究者との共同研究など活発な研究活動を行いながら,研究目的の達成に向けて,研究はおおむね順調に進展していると言える.特に,当該年度は,前年度の東日本大震災の影響で延期した本申請者の大学におけるエルゴード理論国際研究集会の開催が実現し,国内外で活躍されているエルゴード理論研究者の方々を招聘した研究会の開催が成功を収めたことは非常に有意義なことであった. 一方で,当該年度の研究は今後継続していくことで,更に発展していくことが見込まれる.このことが,区分(1)にまで至らなかった理由である. また,当初計画されていた日韓中国際研究集会は平成25年度の開催を計画している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題を効果的に推進して行く為には,積極的な研究集会への参加,並びに,共同研究者,研究協力者との活発な研究討論や共同研究を行う為の海外・国内への出張が必要不可欠である.そこで,活発な研究活動を行うことに重点を置き,様々な情報収集や研究討論から研究を推進して行く計画である.特に,海外出張に関しては,韓国(ソウル),フランス(パリ),イタリア(ピサ),オランダ(デルフト)等を計画している. また,本申請者自身の研究活動だけでなく,研究集会を中心的に開催することにより,エルゴード理論とその周辺分野の研究を盛り上げて行きたいと考えている.そこで,海外研究者を招聘したエルゴード理論の国際研究集会を積極的に開催することを計画している.このことにより,より多くの国内外の研究者との交流を可能とし,本申請者の研究の進展も同時に期待している.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度に使用する予定の当該研究費が生じた状況は,初年度の東日本大震災の影響で開催を予定していた日韓中国際研究集会とエルゴード理論の国際研究集会を延期しなければならなかった為,また,同理由により,特に初年度前半で研究集会への参加や海外出張などが当初の計画通り遂行出来なかった為である.そこで,当該年度に引き続き,次年度も研究集会への積極的な参加,海外研究者との共同研究等を目的とした海外出張や招聘費に充当する予定である.当初計画していたエルゴード理論国際研究集会の開催は達成したが,次年度は日韓中国際研究集会の開催を計画しており,この開催に伴う費用に充当予定である. また,次年度に請求予定の研究費は,当初の計画通り,活発な研究活動を行い,効果的に研究を推進する為に国内外の旅費を中心として使用予定である.
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Research Products
(2 results)