2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23740089
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
安田 和弘 法政大学, 理工学部, 准教授 (80509638)
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Keywords | フィルタリング / フラクショナルブラウン運動 / Malliavin解析 / 局所マルチンゲール |
Research Abstract |
ファクタモデル下での期待効用最大化問題に対する情報や推定の有無に関する理論的、数値的研究を行った。部分観測下の場合、観測できるデータからフィルタリングを用いてパラメータを推定し、用いなかった場合と比べ、最適戦略や期待効用にどのような影響を与えるかを考察した。完全情報下と比較すると効用は減るが、推定を行わない場合に比べると行う方が望ましい結果を与えることが示された。 記憶を持つ確率過程を株式市場のモデルとした際の昨年度までに得られたMalliavin解析を用いたグリークス表現を基とする追加の実験を行った。基本的な特徴は、ブラウン運動の場合と変わることは無かった。 Jarrow-Kchia-Protterの2つ目の方法で、RKHSを用いた日本の株式市場における資産バブルの検出に関する研究を行った。昨年度とは異なり、バブルと思われる資産を安定的に検出できたが、閾値等を理論的に選ぶことは出来ず、経験的な選び方になっていることは注意しておく。 期間を通じて、フィルタリング理論における近似精度の理論的及び数値実験的研究を行った。理論研究においては、推定量を数値計算できるところまで近似し、その近似の精度がデータ数の平方根のオーダーであることが示された。また、応用としてポートフォリオ最適化問題におけるフィルタリングの期待効用への効果を考察し、その有用性を確かめた。フラクショナルブラウン運動を用いた記憶を持つ株式市場モデルに対するMalliavin解析を用いたいくつかのオプションのグリークス表現を理論的に与え、その効果や特徴を数値実験的に確かめた。標準ブラウン運動を用いた場合と同様の結果が得られることが確かめられた。日本の株式市場における跳びの存在やバブルの検出を行い、それぞれの存在が確かめられたが、閾値等は理論的に設定できず、経験的に選ばれているため、今後はその点に関する研究を行う必要がある。
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Research Products
(4 results)