2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23740090
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
野津 裕史 早稲田大学, 高等研究所, 講師(任期付) (00588783)
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Keywords | 有限要素法 / 特性曲線法 / 流れ問題 / 安定化法 |
Research Abstract |
本研究課題は,我々が開発したNavier-Stokes方程式のための安定化特性曲線有限要素スキームの数学的信頼性を示すことを大きな目的としていました. まず,Oseen(線形化Navier-Stokes)方程式のための安定化特性曲線有限要素スキームを開発し,その理論解析を行いました.これには,安定化と非線形性の影響を切り分ける意味があります.解析は容易となりますが,Oseen方程式のための安定化特性曲線有限要素スキームは初めて考案されたもので,その理論解析結果は存在しませんでした.得られた結果は以下の通りです.(i)スキームは(本質的)無条件安定です.(ii)スキームの解(数値解)はOseen方程式の解(厳密解)に収束し,その収束オーダーは流速についてH1ノルム,圧力についてL2ノルムにおいてO(dt+h)です.ここにdt:時間刻み,h:空間刻み,です.なお,収束オーダーは最良です. 次に,Navier-Stokes方程式のための安定化特性曲線有限要素スキームの数学解析を行いました.以下の結果を得ました.(i)スキームは条件(*)dt ≦ c x (hのd/4乗) のもとで安定です.ここに,cはある定数で,dは空間次元です.(ii)dtとhを上記条件を保ったまま小さくするとき,スキームの解(数値解)はNavier-Stokes方程式の解に収束して,収束オーダーは流速についてH1ノルム,圧力についてL2ノルムにおいてO(dt+h)です.その収束オーダーは最良です.条件 (*) はNavier-Stokes方程式の非線形性から現れます.これは伝統的なスキームで得られた条件と同じで,開発したスキームは安定性条件を悪化させていません. これらの結果から我々が開発したスキームが数値的に有用であるだけでなく,数学的信頼性をあわせもった数値解法であることが示され,目的が達成されました.
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Research Products
(23 results)