2012 Fiscal Year Research-status Report
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23740091
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
長井 秀友 東海大学, 理学部, 講師 (00572140)
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Keywords | 可積分系 / 超離散系 / 箱玉系 |
Research Abstract |
当該年度は論文を1点発表,研究発表は国際会議で2点,国内会議で1点行った.論文は前年度の研究をまとめたものであり,研究発表については以下に挙げる2点についてである. 一つは前年度から続いている研究であり,超離散系におけるソリトン解を拡張したPeriodic Phase Soliton solution と離散系の解との対応に関する研究である.本研究では超離散化によってこれらが対応することを明らかにした.特に当該年度はこれらの研究発表を国際会議で行い,またパフィアンとよばれる解形式に着目し,他の方程式にも応用できるよう包括的な証明を与えることを行った. もう一つはB型箱玉系とよばれる従来の超離散ソリトン解を内包する新しい超離散方程式を対象とした研究を行った.この方程式はある条件下において超離散KdV方程式,超離散戸田方程式などの代表的な超離散ソリトン方程式となることが示される.本研究では上記2つの解が特定の条件を与えずとも方程式を満たすことを示し,また適当な変換の下での解の時間発展を調べた. 上記2つの研究はいずれもB型,D型とよばれるタイプの超離散ソリトン方程式に関する研究にあたる.連続,離散系のソリトン方程式はA型, B型といったタイプによって解形式をはじめとする分類がなされている.一方,超離散系においてはこれまでA型のソリトン方程式が研究の中心を占めており,本研究によってA型以外のクラスの超離散ソリトン方程式へ研究範囲が広げられた.これによってタイプごとの超離散系における方程式や解の比較ができ,本研究目的である超離散系の解構造の解明につながるものと期待される.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に挙げていたQRT系や特殊関数等の1変数関数における超離散対応物については現在のところ大きな進展はない.しかしながら研究報告で挙げたようにソリトン系における研究についてはB型,D型といった従来,あまり知られていなかった研究対象においていくつかの興味深い結果が与えられてきている.このことからも可積分系において重要な位置を占めるソリトン系においての解,さらには方程式の分類などの進展が期待されると考えられる.特に超離散ソリトン方程式に特殊化等を経由することで超離散系の1変数関数が得られることを考慮すれば,現在の研究内容は1変数関数の研究に直結することが期待される.以上の点から現状の研究達成度としては順調と判断される.
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Strategy for Future Research Activity |
現在行っているB型,D型等における超離散ソリトン方程式および解についての研究を中心に進めていく.特に研究計画において挙げられた超離散系におけるパフィアン形式の対応物と考えられる超離散ハフニアン等の解表現,ならびに恒等式を用いた証明方法を試みる.この証明方法の完成によって他のソリトン方程式の解の生成ができることからも研究の大きな進展となることが期待される. また同時進行として前年度行った研究である超離散KP方程式の解の拡張についても試みることを検討している.こちらはA型のソリトン方程式であり,最も基本的な方程式であることからも,解構造を理解する上で大きな指針となると予想される.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
前年同様,研究発表ならびに情報収集として国内,国外での出張旅費が研究費の中心となる.また研究計画に関する書籍,印刷費等の出費が挙げられる.その他,現在研究発表用に私用しているパソコンの性能が悪化してきているため,状況によっては前年度の繰越金と合わせて購入することも検討している.
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Research Products
(4 results)