2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23740091
|
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
長井 秀友 東海大学, 理学部, 講師 (00572140)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
|
Keywords | 超離散 / 可積分系 / ソリトン / 箱玉系 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は前年度に引き続きB型箱玉系と呼ばれる超離散ソリトン方程式の解の研究を継続し,国際会議において研究発表を1件行った.離散ソリトン系におけるソリトン方程式の数理構造はA型,B型,D型などの分類がなされている.一方で超離散ソリトン系においてはそのような構造の分類は現在発展途上である.B型箱玉系とは,上記分類のいずれにも属さない離散方程式に超離散化をして得られる方程式である.それにも関わらず得られた超離散方程式では2種類の異なるソリトン解を持つことが前年度の研究で明らかにされた.離散系と異なる結果を得ているということからも,本研究目的である超離散系の可積分構造の研究対象としては重要な方程式として位置づけられる.本年度は前年度までの結果をさらに拡張することで2種類別々の解であることの証明を与えた.しかしながら2種が混合された解の完全な証明は与えられていない.数値実験上では成り立つことが予想されているが,厳密な証明については超離散系独自の解法を研究する必要があると考えられる. 研究期間全体を通じた上での成果を述べる.研究目的であった超離散系の構築には至らなかったが,構築するに当たって大きな指針となるであろう2種の特殊な超離散ソリトン方程式に対する研究について大きな成果が得られた.一つは超離散PPS方程式と呼ばれる方程式であり,これはD型に分類される離散ソリトン方程式の超離散化を行って得られる方程式である.この超離散方程式の解はA型,B型から得られる方程式との共通する解があるなどの超離散特有の性質が見出された.またもう一つは上記に記載されているB型箱玉系である.これら2件についての論文は後日発表予定である. これら2点から浮き出た問題点をさらに追究することで,超離散系における解構造の解明が期待されるが,そのためには今後超離散特有の求積法などの開発が必要であると考えられる.
|
Research Products
(1 results)