2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23740094
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Research Institution | Cyber University |
Principal Investigator |
松田 健 サイバー大学, 総合情報学部, 講師 (40591178)
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Keywords | 確率モデル / 特異点解析 / 情報セキュリティ |
Research Abstract |
本研究は実代数的集合における特異点の解析を行い,その性質とベイズ汎化誤差や自由エネルギーなどの理論値との関連について調べ, 現実データを用いた場合のベイズ学習アルゴリズムの精度について評価・考察を行うものである.この研究において以下の研究成果を得ることができた. (1)2つの実係数多項式が与えられたとき,それぞれの多項式の特異点解消の情報を用いて2つの多項式の和で定義される実代数的集合の実対数標準閾値の上界と下界が得られる条件を得た. (2)本研究の情報数理への応用として情報セキュリティの分野のデータを解析し,SQLインジェクション攻撃に含まれる特殊記号を攻撃特徴とした混合ベルヌーイ分布を応用した確率モデルを提案し,2値分類で広く利用されているシグモイド関数を利用して攻撃検知するモデルと提案モデルの予測誤差の期待値の差を計算することで,提案モデルの予測誤差がシグモイド関数を用いたモデルより小さくなることを示した.さらに提案モデルの混合数を1とした場合,その最尤推定量は解析的に計算することは困難であるが,ニュートンラプソン法を用いて最尤推定量を計算した場合,アルゴリズムが収束するまでにかかる繰り返しの計算回数が小さくなることを実験で確認した. (3)SQLインジェクション攻撃の特徴を特殊文字で考えた場合,攻撃文字列とそうでない文字列の特徴空間の分布を2項分布を用いて表現したときにこれら2つの分布はまったく異なる傾向を持つことが確認できたため,これらの分布の特徴を元にSQLインジェクション攻撃を検出するための混合4項分布を提案し,混合数が2の場合に定義される実特異点を解消し,ベイズ汎化誤差の漸近展開の主要項の係数を導出した.
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