2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23740095
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
藤田 慎也 横浜市立大学, 国際総合科学部, 准教授 (60424206)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | グラフのラムゼー数 / グラフの閉路 / グラフの辺着色 / 極値グラフ理論 / ハイパーグラフ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の主要目的は,1991年にErdos,Gyarfas,Pyberが提起した次の予想(以下,EGP予想と名付ける)について,部分的,もしくは,可能であれば全面的解決を与えることである. 【EGP予想】『完全グラフの各辺をr色でどのように着色しても,頂点集合をr個以下の単色な閉路によって分割出来る.(ここでは2点以下の連結グラフも閉路とみなす.)』 本研究では,研究代表者がこれまで取り組んできた研究を発展させる形で予想解決を目指し,グラフ理論の幅広い分野に適用可能で有用な定理を得ることも目的の一つとした.完全グラフの辺を複数の色で着色したときに単色の部分グラフを見つけるという問題は,グラフのラムゼー数と深く関係する重要な研究テーマであるため近年盛んに研究が進められている.EGP予想は,そのような背景のもと,グラフのパッキング問題とラムゼー理論が融合した新しい型の極値問題として注目されている予想である.本研究では,EGP予想の解決を目指して次の2方向からの研究を進めた. (i)『辺着色された完全グラフにおいて色の塗り方に制約を定めた上での単色構造の解析』 (ii)『EGP予想に関連する与えられた制約条件のもとでのグラフの閉路構造の解明』 上記(i),(ii)の方向性からの研究を進めてゆく上で,辺着色されたグラフの単色構造の考察にはハイパーグラフに拡張して同様の問題を考察すると様々な有用な知見が得られることが確認出来たため,上記(i),(ii)の方向からの研究に加えて(iii)『辺着色されたハイパーグラフにおける単色部分構造の研究』についても精力的に研究を進めた.当初の計画に(iii)の方向性からの研究を追加したため,研究の進捗状況に若干の遅れが生じたこともあって残念ながらEGP予想の解決には至らなかったが(i),(ii),(iii)のテーマにおいて有用な定理を多数得ることが出来た.
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