2011 Fiscal Year Research-status Report
リーマン面のモジュールの複素多変数的変動についての研究
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23740098
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
濱野 佐知子 福島大学, 人間発達文化学類, 准教授 (10469588)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 変分公式 / リーマン面 / 等角写像 / スパン / 擬凸領域 |
Research Abstract |
本研究の目的は、一変数関数論における多重連結領域の等角写像およびポテンシャル論における各主関数のノイマン問題と、多変数関数論的変動である擬凸状との関係を明らかにすることである。具体的には、複素助変数と共にリーマン面が動いたときに、各リーマン面の等角写像に関連したモジュールが複素多変数的に変動するようなもの(例えばリーマン面のスパン)を見つけ、一変数的量変動と多変数関数論、特に擬凸領域との関連を引き起こす原理を追求することである。本年度得られた研究成果は次の通りである。1、調和スパンの変分公式とその応用について研究した論文が雑誌 Nagoya Mathematical Journalに出版された。本研究は山口博史氏、米谷文男氏との共同研究である。考察してきた変分公式を基に、調和スパンは変動が擬凸状ならば劣調和関数であることを証明した。また、調和スパンの具体的表示からポアンカレ距離との関係式を明記して論文にまとめた。2、不連続点を含む変動について考察した論文が受理された。領域が急激に変化し不連続点を含むような変動において、調和スパンの劣調和性が崩れる具体例を構成した。一方、別のタイプの急激な変動では劣調和性が保たれる具体例を構成し、これらの例を通して得られた知見をもとに一般的考察を行った。それらをまとめた論文は現在雑誌 Journal of the Mathematical Society of Japanより出版予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度計画していた研究課題について、得られた成果を論文にすることができたから。
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Strategy for Future Research Activity |
東日本大震災および原発事故による影響で研究開始時期が遅れたため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
定期的に研究集会へ参加および発表をする際の旅費等に使用する。
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Research Products
(7 results)