2013 Fiscal Year Research-status Report
リーマン面のモジュールの複素多変数的変動についての研究
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23740098
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
濱野 佐知子 福島大学, 人間発達文化学類, 准教授 (10469588)
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Keywords | 擬凸領域 / スタイン多様体 / スパン / リーマン面 / 変分公式 / 等角写像 / 再生核 |
Research Abstract |
1.単著論文Uniformity of holomorphic families of non-homeomorphic planar Riemann surfacesが国際雑誌 Annales Polonici Mathematici(査読付き)に受理された。本論文では、ファイバーがプラナーリーマン面からなる2次元擬凸領域において、各ファイバーのSchiffer spanのパラメータ依存性を考察することにより、ファイバーがO_{AD}クラスのプラナーリーマン面からなる正則族の同時一意化を証明した。 2.単著論文Schiffer functions on domains in Cn が雑誌RIMS講究録別冊(査読付き)に出版された。本論文では、リーマン面のSchiffer spanを利用してCn内の領域上でSchiffer関数を定義し、その対数関数がCnの多項式的凸領域で完備な多重劣調和関数になることを示した。また楕円面で具体例を構成した。 3.共著論文(Makoto Abe, Sachiko Hamano, and Junjiro Noguchi)On Oka's extra-zero problem and examplesが国際雑誌 Mathematische Zeitschrift(査読付き)に出版された。本論文では、岡の余零問題について完全な解答を与えた。また、種々の興味深い例を発見し、今後の進展が期待される。 4. 種数が0以上の境界つきリーマン面R上の半完全正則微分のなす空間S(R)の再生核は、対数極を2つ持つL_1-定数により表現できることを示した。また、そのようなリーマン面からなる正則族が複素2次元スタイン多様体の場合、S(R(t))の再生核は対数的多重劣調和であることを証明した。その一部は、論文としてまとめる段階に入っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度計画していた研究課題について、得られた成果を講演し、論文としてまとめることができたから。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでのように、関連研究者と研究連絡を取りながら、研究に遂行する。研究集会および少人数セミナーに参加し、情報収集およびアイデアの交換をする。 2014年度は研究計画最終年度であり、海外での研究成果の発信にも努める。 研究計画の特段の変更は必要なく、問題点はない。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
年度末に福島市で開催した「2013年度多変数関数論冬セミナー」での旅費補助に僅かな誤差が生じたため。 次年度は研究計画最終年度であり、これまでの成果を海外で研究発表するため、その旅費等に使用する。
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