2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23740099
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
梅原 守道 宮崎大学, 工学部, 准教授 (40532164)
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Keywords | 天体の連続体モデル / 圧縮性粘性流体 / Navier-Stokes方程式 / 自由境界問題 / 球対称運動 / 二相問題 |
Research Abstract |
本研究は、天体や銀河などを連続体近似を用いてモデル化し、そのモデルを数学的に解析することで天文現象を解き明かすことを目的とする。モデルとして自由表面を持ち自己重力の効いている粘性熱伝導性ガス(流体星)を考え、その運動を初期境界値問題(自由境界問題)として定式化し、数学解析を行う。平成24年度の主な研究成果は以下の通りである。(1)理想気体の空間1次元運動の考察において、これまでに流体星の長時間安定のためのある必要条件を導いていたが、それの改良に成功した。この結果は投稿中(査読中)であった論文において正式な改訂(revised)として認められ、その論文は掲載決定となった。(2)理想気体の球対称運動(中心球核のまわりの運動)を考察し、解の長時間挙動を調べた。これまでに、1次元運動のときと同様に解が長時間安定であるための必要条件を導いていたが、それの改良に成功した。この結果を国際的な研究集会で速報し、現在はフルペーパーを準備中である。(3)(2)と同じく球対称運動を仮定し、自由表面と中心核の表面での熱の出入りのあるモデルを考察した。対応する定常問題を調べ、定常解の様子を概ね明らかにできた。また、系の時間大域解の評価を得ることにも一部成功した。しかしながら本質的な難しさは依然克服されておらず、解決は次年度へ持ち越しとなる。(4)天体は、内部の水素を核融合反応で燃焼させることによりエネルギーを作り出しているが、水素が燃えたあとにはヘリウムが生成され、生成されたヘリウムは自重により中心部に溜まっていく。このようなモデル(星の後期のモデル)の定式化について研究した。具体的には二相問題としての定式化を考察し、層間の境界での燃焼・組成の変化を記述しうる境界条件の開発を試みた。この研究について成果と言えるようなものはまだ出ていないが、次年度も鋭意進めていく所存である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究で設定した課題に予定通りのペースで取り組んでいるが、各課題での成果については現在のところ十分でない(当初予定より遅れている)と考えている。それぞれの課題に対する考察自体は進んでいるので、研究の完成に向けては支障にならない程度の遅れと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、報告者自身の考察および他研究者との質疑討論を基本として本研究を推進する。引き続き、谷温之氏(慶応義塾大学理工学部名誉教授)を研究協力者として位置付け、定期的に討論をしていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
上述のように、平成24年度は研究の進捗がやや遅れ気味であったため、当初予定していたいくつかの研究集会への参加(外国含む)を取りやめた。その分の研究費(旅費)は平成25年度へ持ち越しとした。平成25年度はこの分を生かして、国内外の会議・研究会への参加を拡大する計画である。旅費以外の研究費についてはおおむね当初の計画通りである。
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Research Products
(3 results)