2012 Fiscal Year Research-status Report
確率解析を用いた無限次元空間上の微分作用素の多角的研究
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23740107
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
河備 浩司 岡山大学, 自然科学研究科, 准教授 (80432904)
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Keywords | 確率解析 / 経路空間 / Gibbs測度 / 一意性定理 / 確率偏微分方程式 |
Research Abstract |
今年度はまず、昨年度から行っている石渡氏、照屋氏との三角格子上の非対称ランダウォークの長時間漸近挙動と標準埋め込みに関した研究をプレプリントの形でまとめた。この論文は現在、国内の査読付き雑誌に投稿中である。また本研究費によるドイツ出張を3月に行い、Albeverio氏と、(cut-offが入った)exp(\phi)_{2}量子場を不変測度にもつ確率力学系のDirichlet形式を用いた構成および対応するDirichlet作用素の一意性問題の共同研究を進展させた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
無限次元空間上の微分作用素の研究も、物理として本来扱わなければならない時空2次元の場合の一意性問題に取り組み始めるなど、健全な問題意識で進展中だと感じる。また汎関数振動積分の漸近挙動の研究も進度は遅いかもしれないが、着実に進展しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度が本研究費の最終年度となる。国内外の様々な研究者との研究打ち合わせを更に行い、本年度までに得られた研究成果を出来るだけ早く論文の形で公表したい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は、8月末にBerkeleyのMSRIで行われる最適輸送問題の研究集会に参加し、無限次元空間上のGradient flowの最近の研究の情報収集を通して、一意性問題の研究に役立てたい。またこの知見とそれまでの研究の進展を元に、3月にドイツに2週間ほどの出張を行い、S. Albeverio氏との共同研究を完成させる予定である。また「岡山解析・確率セミナー」の活動を引き続き行い、岡山大学を訪問する研究者への専門知識提供費にも本研究費を使用する予定である。
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