2011 Fiscal Year Research-status Report
2点境界値問題の非振動解の個数及び振動解の長さとフラクタル次元
Project/Area Number |
23740113
|
Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
田中 敏 岡山理科大学, 理学部, 准教授 (90331959)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | 2点境界値問題 / 解の個数 / 振動解 / フラクタル次元 / 国際研究者交流 / クロアチア |
Research Abstract |
平成23年度は、クロアチアのザグレブ大学の Mervan Pasic 氏との共同研究により、自己随伴型2階線形微分方程式の振動解のフラクラル次元を求めるための十分条件を導くことができた。これまで2階線形微分方程式の振動解のフラクラル次元に関する結果はいくつか得られていたが、それらは非常に特殊な場合に対するものであった。しかし、今回得られてた結果は非常に一般的なもので、これまでの結果を含むものである。その結果は、Pasic 氏との共著論文として学術雑誌 Applied Mathematics and Computation に掲載されている。7月にクロアチアのザグレブに訪問し、Pasic 氏と共同研究を行った。その際、振動する関数の一種であるチャープ関数のフラクタル次元を求めることが、今後の研究には重要であることが分かった。そこで、チャープ関数のフラクタル次元に関して Pasic 氏と共同研究を行った。その結果、ある種のチャープ関数のフラクタル次元を求めることに成功した。その成果は、現在、共著論文として学術雑誌に投稿中である。6月には韓国釜山で、8月はイギリスのラフバラで国際研究集会があり、優線形2点境界値問題の正値解が3個存在する新しい十分条件を発表した。多くの場合、優線形2点境界値問題の正値解はただ一つであり、今回得られた結果は大変珍しいものである。現在、その結果をまとめた論文を執筆中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した事柄、「正値解が2個以上存在するための十分条件を得ること」、「Pasic 氏と共同研究により、有限長振動解、無限長振動解が存在するための十分条件を得ること」、「クロアチアに訪問して Pasic 氏と詳細な打ち合わせを行うこと」、「韓国プサンやイギリスで行われる研究集会に参加すること」、「成果を論文にまとめ学術雑誌に投稿すること」は研究実績の概要で述べたようにおおむね達成されており、研究は順調に進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後もおおむね研究計画の通り研究を進めていく。今回得られたチャープ関数のフラクタル次元に関する結果を活用して、無限長振動解のフラクラル次元を求めたい。また、零点をもつ解の一意性についても研究を行いたい。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
7月にアメリカで開催される国際会議「The 9th AIMS Conference on Dynamical Systems, Differential Equations and Applications」に参加し、これまでの研究成果を発表する。また、国内の学会や研究集会に参加し研究成果を発表する。本研究に関係する微分方程式に関する図書を購入し、研究を進める。次年度に使用する予定の助成金は、本研究に非常に関わりが深い図書が次年度出版されるとの情報を得たためであり、次年度、購入したい。
|