2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23740115
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
鬼塚 政一 岡山理科大学, 理学部, 講師 (20548367)
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Keywords | 非自励系 / 線形振動子 / 半分線形振動子 / 安定性 / 漸近安定性 / 一様漸近安定性 |
Research Abstract |
諸科学に登場するさまざまな現象は時間に依存して刻一刻と変化する。通常、微分方程式で記述される既知の数理モデルは、係数を定数や周期関数に限る場合が多い。ところが、実際の自然現象においては、温度変化、気圧変化、劣化現象などの時間変化を伴うことが想定される。したがって、定数や周期関数に限らない時変係数をもつ微分方程式系(以下、非自励系と呼ぶ)を考察することは諸科学の発展に寄与し得ると考える。本研究では特に線形及び非線形非自励系における零解の安定性及び不安定性の解明に取り組んだ。 平成25年度は制御工学、流体力学、生態学への不安定性理論の応用を計画していた。前年度で得られた成果から、線形振動子及び半分線形振動子と呼ばれる振子の方程式における零解の一様漸近安定性及び非一様漸近安定性のさらなる発展と優先すべき成果が期待されたため、振動子の一様漸近安定性に焦点を絞り研究を推進した。その成果は J. Sugie and M. Onitsuka, Growth conditions for uniform asymptotic stability of damped oscillators, Nonlinear Analysis, 2014, 98, 83-103. として結実した。制御工学において、システムの一様漸近安定性は良い性質をもったリヤプノフ関数を与える(リヤプノフの逆定理)ことや摂動問題、ロバスト安定問題への応用が強く期待できる。上記に加え、2次元半分線形系の零解の吸収性と安定性の同値関係に関するさらなる考察を行い、一定の成果が得られたため、RIMS研究集会「常微分方程式の定性的理論の新展開」(京都開催、招待講演)やEquadiff13(プラハ開催)で成果の報告を行った。その他、国内で3回の口頭発表を行っている。
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Research Products
(6 results)