2012 Fiscal Year Research-status Report
特異ラグランジュ部分多様体のフレアー理論におけるモジュライの解析と代数構造の研究
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23740123
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
赤穂 まなぶ 首都大学東京, 理工学研究科, 助教 (30332935)
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Keywords | シンプレクティック幾何学 / ラグランジュ部分多様体 / フレアー理論 / モース理論 |
Research Abstract |
本研究課題の特異ラグランジュ部分多様体のフレアー理論におけるモジュライの解析と代数構造の研究に関して、本年度は主に境界付き多様体のモース理論における積構造の研究を行った。具体的にはまず境界付き多様体M上のモース関数で、その勾配ベクトルが境界に接するようなものを3つ用意し、次にY字グラフからMへの写像でY字のそれぞれの(3つの)辺が先に用意した(3つの)それぞれのモース関数の勾配ベクトル場の積分曲線になるようなものを考える。ただし今の場合、勾配ベクトル場の積分曲線はMの境界からの影響で非常に複雑に折れ曲がっている。次に3つのモース関数それぞれの臨界点を結ぶ先ほどのY字グラフからMへの写像を考え、そのようなものの数を数える。ただしここでもMの境界からの影響で”横断正則性”に関する問題が起こる。そこでこのY字グラフからMへの写像の数を正しく数えるために今回ある種のファイバー積を導入し、そのファイバー積の点の数を数えることにより、正しい数を得ることに成功した。そしてこの数を結合係数にすることにより、モース複体上にライプニッツ則を満たす積構造を構成・記述することに成功した。この結果の意義・重要性は、本来考えたい特異ラグランジュ部分多様体のフレアー理論のある種のトイモデルになっていると考えられ、その足掛かりとなる点にある。またこの結果は境界付き多様体のモースホモトピーの観点からも純粋に面白いものだと思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
特異ラグランジュ部分多様体のフレアー理論の構成に向けて、そのトイモデルとなる境界付き多様体のモース理論の構成が着々と進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は境界付き多様体のモース理論における積構造の構成・記述に成功したが、さらにこれを進め高次の積構造、いわゆるモースホモトピーの構成・記述を成功させたい。また本年度は非常に効率的な予算執行で研究を進めることができたため、いくらか残金が発生したが、次年度に計画している国際研究集会での講演者の招聘費用としてそれらを有効に活用したい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度日本において国際研究集会East Asian Symplectic Conference 2013の開催を計画している。これは台湾成功大学のRiver Chiang氏とソウル国立大学のCheol-Hyun Cho氏と本研究代表者が共同で過去2009年に台湾、2011年に韓国で開催されたものの続きである。そして次年度に使用する研究費からその開催経費(参加者の旅費)を捻出する予定である。
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