2013 Fiscal Year Research-status Report
特異ラグランジュ部分多様体のフレアー理論におけるモジュライの解析と代数構造の研究
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23740123
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
赤穂 まなぶ 首都大学東京, 理工学研究科, 准教授 (30332935)
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Keywords | シンプレクティック幾何学 / ラグランジュ部分多様体 / フレアー理論 / モース理論 |
Research Abstract |
本研究課題の特異ラグランジュ部分多様体のフレアー理論における擬正則曲線のモジュライ空間の解析と代数構造について前年度に引き続き主にそのトイモデルである境界付き多様体のモース理論の研究を行った。具体的には、まず境界付き多様体上のモース関数で勾配ベクトル場が境界に沿う様なものを用意し、その不安定多様体に付随するハンドル分解を精密に構成した。このハンドル分解を構成したことによりモースホモロジーに現れる境界準同形や交叉積の勾配ベクトル場の積分曲線もしくは樹木グラフによる具体的な記述が得られた。そもそもモース理論では境界準同形や交叉積が不安定多様体と安定多様体の交叉を用いて記述できるのに対して、フレアー理論では不安定多様体や安定多様体に対応するものが存在しないためそのような記述ができない。そこで勾配ベクトル場の積分曲線や樹木グラフによる記述が必要になるのだが本研究課題のテーマである特異点を持つラグランジュ部分多様体のフレアー理論ではそれらは非常に複雑なものになると予想される。今回のハンドル分解の精密な構成により交叉積の記述が多少見通しが良くなったと思われる。この結果の意義・重要性は本来考えたい特異ラグランジュ部分多様体のフレアー理論の構成、特にその代数的な構造の解明に役立つものと思われる。またこのハンドル分解の精密な構成自体が純粋に境界付き多様体のトポロジーを研究するという立場からも非常に興味深いものであると思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
特異ラグランジュ部分多様体のフレアー理論の構成に向けて、そのトイモデルとなる境界付き多様体のモース理論の構成が着々と進展している。具体的には今回ハンドル分解の精密な構成、モース複体およびその上の交叉積の記述、またさらに高次の積構造についていくつかの予想が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度はハンドル分解の精密な構成を行うことにより境界付き多様体のモース理論の理解がより深まったが、今後はこれをさらに押し進め高次の積構造の具体的は記述を試みたい。また本来の目標である特異点を持つラグランジュ部分多様体のフレアー理論の構成に少しでも近づけるよう日々研究に精進したい。
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