2012 Fiscal Year Research-status Report
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23740126
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
間田 潤 日本大学, 生産工学部, 助教 (80396853)
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Keywords | 可積分系 / セルオートマトン / 箱玉系 / 超離散化 / 相関関数 |
Research Abstract |
昨年度より行っている離散可積分方程式を有限体上で考えるという課題において,ある程度の成果が得られている.具体的には,離散KdV方程式やパンルベ方程式において,Almost Good Reduction という概念を導入し,時間発展を上手く定義することが出来た.この Almost Good Reduction は,有限体上での可積分性を特徴づける概念だと考えている. 時間発展の他にも,離散KdV方程式の解について有限体上での考察を行い,いくつかの性質が分かっている.特に,離散系や超離散系で見られるようなソリトン解の性質も観測できている. また,相関関数については,解析が複雑である箱玉系ではなく,より単純なセルオートマトンであるエレメンタリーセルオートマトンを対象にして解析を行った.具体的には,相互相関行列を用いた解析を行い,結果として,これまでウルフラムにより与えられていたエレメンタリーセルオートマトンの分類方法よりも,より詳細な分類が行列の固有値分布を見ることによって行うことが出来た.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究の方針が変わったことにより,当初の目的の達成には遅れが出ている.ただし,変更により,副産物的に多くの結果が得られているので,その結果も合わせて,当初の目的達成にいかせるのではないかと考える.
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Strategy for Future Research Activity |
有限体上の離散方程式の解析は,始まったばかりであり,未だ考察を行っていない方程式についても有限体上での考察を行う.また,既に考察している方程式においても,解についての考察が未完であるので,今後も継続して解析を進めていく. エレメンタリーセルオートマトンの研究を通して分かったことを,箱玉系の相関関数の考察にいかし,当初の目的達成を目指す.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
行列を用いた数値計算,有限体上での数値計算が必要であり,現在使用しているパソコンだけでは不十分であるので,ハイスペックなパソコンの購入が必要である.また,国内外の学会,研究会への参加のため,旅費として使用したいと考えている.
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Research Products
(4 results)