2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23740126
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
間田 潤 日本大学, 生産工学部, 助教 (80396853)
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Keywords | 可積分系 / セルオートマトン / 有限体 / 相関関数 |
Research Abstract |
離散可積分方程式を有限体上で考えるという課題において,ある程度の成果が得られた.具体的には,離散KdV方程式やパンルベ方程式において,Almost Good Reduction (AGR)という概念を導入し,時間発展を上手く定義することができ,最終年度では,AGRが既によく知られている特異点閉じ込め(Singularity Confinement)の数論的類似物であることを示した.AGR は有限体上の可積分性を特徴づける一つの指標であると考えられるので,今後の課題の1つとして継続して取り組みたい. 時間発展の他にも,離散KdV方程式の解について有限体上での考察を行い,いくつかの性質が得られた.特に離散系や超離散系で見られるようなソリトン解の性質も観測できた.これらのことを離散戸田方程式で議論するための準備を最終年度に整えたので,より具体的な考察を引き続き行っていく. また,相関関数については,解析が複雑である箱玉系を扱うための準備として,より単純なセルオートマトンであるエレメンタリーセルオートマトンを対象にして解析を行った.具体的には,相互相関行列を用いた解析を行い,結果として,これまでウルフラムにより与えられていたエレメンタリーセルオートマトンの分類方法よりも,より詳細な分類が行列の特異値分布を見ることによって行うことができた.今後は,ここで得られた知識を箱玉系の相関関数の解析に活かしていく.
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Research Products
(5 results)