2011 Fiscal Year Research-status Report
次世代多天体補償光学系に向けたトモグラフィック波面推定の高速化、高精度化
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23740140
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
秋山 正幸 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (50425401)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 多天体補償光学系 / トモグラフィック推定 / 並列計算 |
Research Abstract |
本研究の目的は次世代地上超大型望遠鏡の補償光学系を想定して多天体補償光学系の実証を実験室において行うことにある。特に多天体補償光学系を実現するうえでカギとなるトモグラフィックな波面推定について、波面測定をシミュレートする光学系を立ち上げ、その推定の高精度化、高速化を行う。これにより、次世代超大型望遠鏡の多天体補償光学系を想定した場合にどの程度の性能が現在使用可能な技術を用いて達成できるのかを評価し、実機制作を提案する基礎とする。本年度は実験室において立ち上げた多天体補償光学系の光学シミュレータを用いて波面推定のシミュレーションを進めた。実際に複数の光源からの光を複数の大気の層をシミュレートする位相板を通してから、複数の波面センサーを用いて測定し、それらの情報を合わせてトモグラフィックな推定を行った。特に光学系について波面推定の精度向上のために波面センサーの位置調整の精度を向上する光学ステージを導入するなどして推定の精度向上を図った。トモグラフィックな推定の結果では実際の測定の結果に似た波面形状が再現出来ており、アルゴリズムとしては機能させることができた。推定の精度についての詳細な確認は現在も行っているところである。可変形鏡のオープンループ制御も開発要素であるが、これについても実験光学系を組んで可変形鏡の制御実験を行った。まだ可変形鏡で実現した形状に予想形状からのずれが見られるので、その原因を追究しているところである。さらにGPU並列計算機を導入し、実際に簡単な行列計算などは高速化が可能であることを確認した。高速カメラからのデータをGPU並列計算機に取り込む作業をこれから進めるところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
トモグラフィーを用いた大気揺らぎの推定を行う光学系についてはほぼ立ち上がり、そのデータを用いてシミュレーションを行うことも進められている。また並行して、高速並列計算機も導入して、基礎的な行列計算の高速化などの確認は行った。データ取得の環境は整ったので、ここまではほぼ予定通りに進行しているといえる。またこれまでの現状を国際研究会においてポスター発表で報告し、海外の研究者とも積極的に議論することができている。
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Strategy for Future Research Activity |
まずはこれまでに組み上がった光学系を用いて、大気揺らぎのトモグラフィックな推定について精度の評価を行い、取りまとめる。特に推定の精度について、誤差の要因となる要素を洗い出し、それぞれの大きさをブレークダウンすることが重要であると考えている。また高速並列計算機を用いてトモグラフィックな推定の計算速度の評価も進める。多天体補償光学系の光学シミュレータの3台の波面センサーの測定を合わせてトモグラフィー推定を行う計算をGPU並列計算機に実装し、並列化することによって波面推定が十分に高速に行えることを確認する。さらに高速度カメラの導入を進めており、このカメラと高速並列計算機を組み合わせて、高速波面センサーとして機能することを実証する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
位相板を動かす機構などを購入して実時間で変動する状態の中で実際に高速推定が十分な精度で行えるのかどうか評価する。特に各時間周波数の変動成分に対して十分に高速に応答して推定が出来ているかどうかを評価することが重要になる。高速化が達成されない場合にはボトルネックとなる個所を特定し、次の開発につなげる。これまでの結果をまとめて観測装置の国際研究会に参加して報告し、さらにこれまでの結果に基づいて超大型望遠鏡に応用する際の可能性や課題を検討したうえで論文として取りまとめる。
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Research Products
(1 results)