• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2013 Fiscal Year Research-status Report

銀河ガス円盤の磁気流体数値実験:磁気浮上ループ・渦状腕衝撃波による粒子加速の寄与

Research Project

Project/Area Number 23740153
Research InstitutionKyushu University

Principal Investigator

町田 真美  九州大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (50455200)

Keywords理論天文学 / 銀河ガス円盤 / 磁気流体数値実験 / 磁気乱流
Research Abstract

渦状銀河の磁場は平均で数マイクロガウスある事が知られており、その起源は未だ不明である。有力な磁場起源として、宇宙初期に形成された磁場が掃き集められた初期磁場起源と宇宙初期に形成された非常に弱い磁場が増幅されるダイナモ起源とがある。本研究課題では、ダイナモ起源説に則った研究を行っている。昨年度は初期条件として銀河ガス円盤内部に磁束が無い場合には、どのように磁束増幅・維持されるかを調べた。系全体の磁束が無い場合の初期条件として、鉛直方向に初期条件の方位角方向磁場の向きを反転させている。その結果、系の磁束が無い場合にも、局所的な角運動量輸送率は磁束がある場合とほぼ同程度のα~0.01程度になる事がわかった。一方、質量降着率は磁束が無い場合は磁束がある場合よりも低くなる事も示せた。また、磁束の反転回数が多いモデルのほうがより質量降着率が下がる事もわかった。これは、磁気回転不安定性によって誘起される円盤内の乱流の最大波長が初期磁場の反転サイズに依存しているため、局所的な角運動量輸送が生じても、内側まで伝搬しにくいためである事がわかった。
銀河ガス円盤では分子冷却の効果による多温度構造が重要となるため、分子冷却を考慮にいれた数値計算のテストを行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成25年度は産後休暇及び育児休業のため前期は研究が中断していた。10月より復職しているが、遠方で開催される研究会などには参加できなかったが、九州大学で行われた研究集会で磁束が無い場合の差動回転円盤での磁場増幅に関する結果を発表している。
本年度後期には、系全体での磁束が無い場合に関して数値実験を行い、初期磁場の鉛直方向のスケール長が実際に物質を降着させる事には重要である事を示した。また、分子冷却を加えたテスト計算を行った。その結果、磁気散逸による円盤加熱によって円盤ガスは10万度程度まで加熱されるが、冷却効果によって急冷される事、そのために時間ステップが非常に細かくなり長時間の計算は難しい事がわかった。

Strategy for Future Research Activity

系全体の磁束の有無によるガス円盤構造の進化を引き続き調べる。磁気乱流はインバースカスケードによって乱流渦を大きくする現象が生じるが、現在の数値計算結果は初期条件の影響が残った結果となっている。更に長時間の計算を行う事で、どの程度初期条件が緩和されるか、また影響は長時間続くかを調べる。また、現在は方位角方向磁場のみを初期条件としているが、ポロイダル磁場が存在する場合などについても調べる予定である。
より現実的なモデルの計算を行うための冷却効果を加えた数値計算は、現在は陽解法で計算を行っている。しかし、磁気散逸による加熱が最も効率よく冷却される温度帯にあたるのため、時間ステップ間隔が短くなり長時間の計算に不向きな結果となっている。そこで、冷却項のみを陰解法で解く方式に修正した上で実験を行う予定である。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

平成24年度2月半ばから平成25年度9月末まで産前産後休暇、及び育児休業のため研究を中断していた。平成25年10月より復職したが、研究会や研究打ち合わせ等にでかける事ができなかったため旅費の支出が無かった。また、数値計算結果を保存するためのハードディスクの増設なども当初見込み程必要が無かったため、物品費の支出も当初見込みよりも少なくなった。
本年度は研究補助者が使用する数値計算結果を解析するためデスクトップPCを購入する予定である。またデータを保存するためのハードディスク(12Tbyte)の購入を予定している。物品費としてはこの他、画像解析ソフトIDLの保守更新費、コンパイラ保守更新費などとして使用する。旅費は本年度も国際会議や1週間程度の長期の研究会への参加は難しいため、国内学会発表3件と共同研究者との研究打ち合わせに使用する。
その他、論文出版費、印刷費などに使用予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2013

All Presentation (2 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Presentation] 降着円盤のグローバルMHDシミュレーション2013

    • Author(s)
      町田 真美, 中村 賢仁, 松元 亮治
    • Organizer
      STEシミュレーション研究会 & 太陽地球惑星系科学(STP)シミュレーション・モデリング技法勉強会 合同研究集会 - 宇宙プラズマ・大気・天体 -
    • Place of Presentation
      九州大学
    • Year and Date
      20131224-20131227
    • Invited
  • [Presentation] 銀河ダイナモ磁気流体計算に基づくファラデー回転度分布と観測との比較2013

    • Author(s)
      松元亮治, 工藤祐己,朝比奈雄太 ,町田真美,森嶋隆裕,服部誠
    • Organizer
      日本天文学会2013年秋季年会
    • Place of Presentation
      東北大学
    • Year and Date
      20130910-20130912

URL: 

Published: 2015-05-28  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi