2012 Fiscal Year Annual Research Report
光集積回路を用いた高コントラスト撮像分光装置の開発
Project/Area Number |
23740163
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
小谷 隆行 国立天文台, 太陽系外惑星探査プロジェクト室, 研究員 (40554291)
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Keywords | 太陽系外惑星 / PLC / 瞳再配置 / 光干渉計 |
Research Abstract |
本研究の目的は、地上望遠鏡において大気の影響をほぼ完全に取り除き、極めて高いダイナミックレンジの像を得るPupil Remapping法を実現するための、光集積回路の開発である。本応募研究によって、現在の補償光学よりも高い角分解能で、最大100倍高いダイナミックレンジの撮像を行うための光集積回路を開発し、地上から太陽系外惑星を検出する可能性が大幅に高まる。 本年度は、開発目標である入力数18の光集積回路の回路製作に向けて、小規模な回路でビームを干渉させるための重要コンポーネントの試作テストを行った。干渉縞を3点でサンプリングするための新しい2入力3出力回路と、4入力20出力回路の設計・試作を行い、利用できる帯域は狭いものの、ビームを干渉させ、位相差0,120,240度で3ビーム出力を可能にする回路の開発に成功した。入力ビーム数が増えると、これに伴い出力数も増加し、回路間のクロストークや損失が増加するため、できるだけ出力数を抑えることが重要である。これまで用いてきた4出力干渉回路よりも出力数の少ない3出力干渉回路の開発は、大規模回路製作に向けた大きなブレークスルーとなる。次に、これらの回路特性を元に、18入力81出力の回路設計・製作を行った。製造した回路の特性を測定した結果、回路間の特性にばらつきはあるものの、入力ビームを干渉させ、位相差をつけて出力させる回路として機能していることが確認できた。18の入力数、81の出力数の回路は、天文学用光集積回路としては、世界で最も大規模なものである。また、波長依存性が強く出ているため、ある程度帯域を限って使用するか、出力ビームを分光する必要があることがわかった。
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Research Products
(1 results)