2014 Fiscal Year Annual Research Report
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23740165
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
北野 龍一郎 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (50543451)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 素粒子論 |
Outline of Annual Research Achievements |
LHC実験において、ヒッグス粒子が発見され、その質量は標準模型を超える様々な可能性に対して重要な情報となっている。また超対称粒子などの新粒子の探索実験により、理論のパラメータに制限を与えている。 本年度は、ヒッグス場と宇宙における暗黒物質との関連に着目して研究を進めた。右巻きニュートリノが暗黒物質である可能性と、宇宙のインフレーションおよびバリオン数生成機構の整合性を調べ、暗黒物質の質量がPeV領域であると整合性が保たれることを示した。これにより、IceCube実験において観測されたPeVエネルギーの宇宙ニュートリノが暗黒物質の崩壊によって説明できる可能性を指摘した。 また、ヒッグス場が南部=ゴールドストーン粒子として出現する複合ヒッグス場模型において、暗黒物質がヒッグス場のポテンシャルを生成する可能性についても調べた。現在の暗黒物質の残存量を説明するバラメータ領域と、ヒッグス粒子の質量との間に非自明な整合性があることを発見し、今後の暗黒物質探索実験にて検証可能であることを指摘した。 さらに、暗黒物質の正体の様々な可能性を考え、残存量から暗黒物質とヒッグス場との相互作用の大きさを模型ごとに調べ、その検証可能性を調べた。特に、今後の電子や中性子の電気双極子モーメントの探索実験や、国際リニアコライダー実験において、多くの模型を検証し、また区別できることをみることができた。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Neutrinoful Universe2014
Author(s)
Tetsutaro Higaki, Ryuichiro Kitano, Ryosuke Sato
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Journal Title
Journal of High Energy Physics
Volume: 1407
Pages: 044
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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