2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23740168
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
奥田 拓也 東京大学, 総合文化研究科, 助教 (90595646)
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Keywords | 国際情報交換、アメリカ、カナダ、イギリス、ドイツ / 国際研究者交流、アメリカ、イギリス |
Research Abstract |
King's College LondonのDrukker氏、CERNのPasserini氏とともに、3次元超対称場の理論でのdisorder演算子であるvortexループ演算子の期待値や相関関数を3次元球面(S3)やS1xS2で計算した。超対称性を最大限に利用したlocalization法に基づいており、従来3次元では難しいと考えられていた、指数定理を用いる計算手法を開発した。vortexループ演算子の計算結果は、ミラー対称性と呼ばれる双対性を通じてWilsonループ演算子の計算結果と一致することを示した。これは平成23年度の研究成果である4次元の't Hooftループ演算子の計算の拡張と考えることができ、3次元/3次元対応などにおいて既にいくつかの応用が見つかっている。 また大学院生の伊東氏、Caltechの丸吉氏とともに、ALE空間上のインスタントン分配関数を二通りの方法で計算し、従来の予想に反してそれらが違う結果を与えることを指摘し、両者の簡単な関係を発見した。2次元/4次元対応を通じて、これらは2次元共形場理論における非自明な関係を示唆している。 米国、韓国、タイでの国際会議にて招待講演を行った。また日本、米国、ドイツでの国際ワークショップ・会議に出席し、物理学者や数学者と交流し研究に関する議論を行った。これらの機会を通じて共同研究者と議論を深め、新しいアイデアを生み出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、vortexループ演算子やALE空間でのインスタントン分配関数など、localization法を用いた研究を順調に進めている。また、現在進行中の2次元でのlocalization計算により、大きなクラスの場の理論における非自明な対称性と可積分構造を明らかにしつつある。よって、当初の予定よりも進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度前半は学生と共同研究中のプロジェクトの遂行に力を注ぐ。8月と3月に行われる米国での国際ワークショップに招待されており、参加して議論を深める予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
8月と3月に行われる米国での国際ワークショップに参加する費用として、研究費を用いる。また、研究に必要な書籍などを購入する。
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Research Products
(8 results)