2012 Fiscal Year Annual Research Report
極短バンチ生成RF電子銃開発と大強度テラヘルツ光発生の実証試験
Project/Area Number |
23740203
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
坂上 和之 早稲田大学, 理工学術院, 助教 (80546333)
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Keywords | テラヘルツ光 / 高輝度電子銃 |
Research Abstract |
本研究課題において、極短バンチ(1ps以下の時間幅)を生成可能な電子銃システムの設計・製作・評価を行い、非常に有用な電子源の開発に成功した。 電子銃システムとしては、従来の加速空胴に特殊な1つのセルを追加することにより、これまで最小でも1ps程度が限界であった短バンチ生成を100fs程度まで押し下げることを設計によって確認した。追加したセルは電子バンチに線形な速度差を与える働きを持たせており、この速度差によってバンチを圧縮する。電子がすでにほぼ光速に近い速度で運動しているため、非常に効率よくバンチを圧縮することが可能となる。このように設計した電子銃空胴を製作・評価することによって実際に1ps以下の極短バンチの生成を確認した。 このような極短バンチは現在高出力な光源のないテラヘルツ光を高強度に出力することが可能であり、高強度テラヘルツ光を実際に確認するとともにこのテラヘルツ光のスペクトルを計測することによって生成されている電子バンチのバンチ長を計測することが可能である。この測定の結果ではバンチの形状が正規分布であることを仮定した場合であるが、500fs以下の電子バンチが得られていること確認できている。極短バンチの計測は非常に困難であるため、現時点では500fs以下という表現しかできないが、より高精度な計測手法を用いてバンチ長の精密計測も行い、製作した電子銃の精密評価も検討している。 また、生成したテラヘルツ光の応用として、すでに走査型のテラヘルツイメージングにも成功しており、高強度であるために非常に有用な光源であることを示すことに成功している。今後より小型な光源開発やイメージング以外のテラヘルツ分光などの応用研究を行い、本研究課題で構築した光源の有用さを示すことにより、実用化に向けた研究を推進していく。
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[Journal Article] 1ms Pulse Beam Generation and Acceleration by Photo-cathode RF gun and Super-conducting Accelerator2013
Author(s)
Masao Kuriki, Hokuto Iijima, Seiichi Hosoda, Ken Watanabe, Hitoshi Hayano, Junji Urakawa, Goro Isoyama, Ryuko Kato, Keigo Kawase, Ayaka Kuramoto, Shigeru Kashiwagi, Kazuyuki Sakaue
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Journal Title
Jpn. J. Appl. Phys.
Volume: 52
Pages: 056401-1-7
DOI
Peer Reviewed
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