2013 Fiscal Year Annual Research Report
3次元らせん軌道ビーム入射のためのパルス状磁場発生装置の開発
Project/Area Number |
23740216
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
飯沼 裕美 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 助教 (60446515)
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Keywords | ビーム入射用パルス磁場発生装置 |
Research Abstract |
1)研究の目的:標準理論を越えた新物理の存否の議論の決定打となる物理量のひとつであるミューオンg-2を超精密測定するために、大強度陽子加速器(J-PARC)の大強度ミューオンビームを用いたg-2/EDMの超精密測定実験計画を推進している。この実験は、過去30年近く踏襲された実験の系統誤差要因を根本から解決する新しい手法を採用する。実験成功の要は0.1ppm以下の磁場の一様性が要求される貯蔵リングへ、磁場を乱さずにビームを入射する方式の開発である。本申請研究では入射ビーム軌道の高精度制御の為の磁場の時間・空間構造の詳細設計と磁場発生装置の試作及び動作試験を行うものである。 2)研究の具体的内容:原寸サイズのキッカー装置を試作し、テストベンチで動作確認を行った。キッカー装置により発生した磁場の時間・空間分布を測定した。 3)成果:大電流電源および、直径0.66mの原寸大キッカーコイルを作成した。コイルを流れる電流をCT(Current Transformer)で測定し、励起されるパルス状の磁場をピックアップコイルで測定した信号を比較し、実際にパルス磁場が発生していることを確認した。更に、磁場の空間分布の測定結果が、OPERA(3次元有限要素法)で算出した設計値と良くあっていることを確認した。本成果は2013年8月の加速器学会で報告した。キッカー装置の単独動作確認は完了したので、次のステップとして、H26年度より採択された「基盤B:ソレノイド型蓄積磁石への3次元らせん軌道入射によるビーム入射の実証実験」で製作する装置に組み込み、システムとしての動作確認を行う予定である。
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Research Products
(1 results)