2012 Fiscal Year Research-status Report
非平衡系におけるスピン波スピン流に対する数値的研究
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23740284
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
大江 純一郎 東邦大学, 理学部, 講師 (40510251)
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Keywords | スピントロニクス |
Research Abstract |
表面スピン波によって運ばれる熱流について解析を行った。その結果、指向性を持つスピン波を利用することで、強磁性体中の熱拡散をコントロールできることが明らかになった。 具体的には磁化の運動を表すLandau-Lifshitz-Gilbert (LLG)方程式を、双極子相互作用を正確に取り入れて数値計算を行い、マクロな系での表面スピン波を再現することに成功した。この結果は、Nature Materials誌に掲載が決定しており、次年度に出版される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究計画当初は、熱勾配によるスピン波駆動について研究を行なってきたが、今年度は、その逆効果ともいえる、スピン波による熱流制御を発見した。このことは申請時には考えられなかったことであり、予想以上の成果である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度発見した表面スピン波による熱流制御と、スピンゼーベック効果を利用することで、強磁性体を用いたデバイス内での熱制御が可能になった。今後は具体的な素子の設計、磁性体を用いた新しい冷却法の研究を推進する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
得られた研究成果を国際学会、国内学会で発表する。またデータ量が膨大になるので、20万円程度の大型ハードディスクを増設予定である。今年度計算機を購入した際、予算計上時より購入機種の価格が下がっていたため10万円弱の繰越金が発生した。繰越金は上述のハードディスクの増設に使用予定である。
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[Journal Article] Unidirectional spin-wave heat conveyer2013
Author(s)
T. An, V. I. Vasyuchka, K. Uchida, A. V. Chumak, K. Yamaguchi, K. Harii, J. Ohe, M. B. Jungfleisch, Y. Kajiwara, H. Adachi, B. Hillebrands, S. Maekawa, and E. Saitoh
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Journal Title
Nature Materials
Volume: 12
Pages: 549
Peer Reviewed
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