2011 Fiscal Year Research-status Report
高密粉体ダイナミクスの非平衡輸送における応答理論と動的多体相関による統一的解明
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23740293
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
礒部 雅晴 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80359760)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 粉体気体 / 非平衡輸送現象 / 応答理論 / 分子動力学法 / 動的多体相関 |
Research Abstract |
粉体気体系は、局所非平衡系の統計力学を推進する理想モデル系として大きな理論的発展が期待されている。また高密系においては「ジャミング転移」が注目され、ガラス転移との関係が盛んに研究されている。本研究では、高密度、高次元、重力場、複雑な幾何学や境界条件の下での粉体の非平衡輸送と微視的原理の解明をめざし、理論と大規模シミュレーション双方から新しい方法論の開発と全密度領域の粉体輸送現象の統一的解明を目的としている。本研究は、4つのステージで構成されている。(A)粉体応答理論を擬1次元系で確立させる。鉛直密度反転と揺動散逸関係の適用範囲を明らかとし、応答関数や巨視的揺らぎの統計的性質を大規模シミュレーションとの比較から精密化させる。(B)高次元、高密度、重力場の大きさ、様々な境界の影響を考慮する。 (C)粉体気体系の乱流化現象において、3次元系への拡張を行い「乱流化の起源」を探る。(D)高密粉体系輸送現象に関して多体相関関数を解析する新しい方法論を応用し、「ジャミング転移」「Bose凝縮様な現象」の微視的起源を解明する。昨年度は研究計画の初年度であり、 まず本研究に必要不可欠な大容量ファイルサーバと高速計算機サーバの整備を行った。また、(i) 擬1次元系の粉体振動層において、重心揺らぎを有効温度として揺動散逸定理と応答理論を再構築した。導出された応答関数や揺動散逸関係に関して大規模シミュレーションとの比較を行い、理論の妥当性を検証した(投稿中)。(iii)粉体気体系においてレイノルズ数の導出をし、準弾性衝突極限の領域で乱流化をする定量的証拠を明確に示した。また、高密度系のボース凝縮に関し、詳細な乱流解析を実行した。(M.Isobe:2012, 印刷中)。本年度に得られた成果は、雑誌論文1本(1本印刷中,2本投稿中)、国内外の講演9件(内、招待・依頼講演3件)等で公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度の交付申請書では、(i)計算機環境の構築。(ii) 粉体応答理論(A)の確立。(iii)(A)で得られた成果を踏まえた(B),(C)に向けての基礎的アイデアの整備。(iv)(C)の粉体乱流化の研究の推進。(v)欧米で開催される国際会議での発表。(vi)欧米の共同研究者との詳細な打ち合わせ。を計画した。それぞれ、(i)は整備完了し、(ii)は原著論文投稿中、(iii)は境界条件を変えたプログラムコード作成が完了し、(iv)は、原著論文を印刷中、(v)は欧米の国際会議にて3回発表、欧米の研究機関で3回招待セミナーを行った。当初の計画通り、順調に研究が進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策として、(B)高次元、高密度、重力場の大きさ、複雑な幾何学を持った様々な境界の影響を考慮し、(C)では、3次元系のReynolds数の導出とコルモゴルフスケーリング則の考察、100万粒子以上の大規模計算で初めて顕著となる新しい現象が生じる領域(粉体粒子の凝集クラスター同士が衝突をし始め、衝撃波伝播が生じる)の詳細な解析。(D)高密粉体系の輸送現象の解明を目的として「シアストレスの遅い緩和」で得られた高次多体相関の直接計算法を行うために、配向秩序変数の第2、第3近接粒子への拡張と衝突粒子を粗視化する2つの方法論の「ジャミング転移」への応用を計画している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究費の使用計画として、整備したファイルサーバに加えて、新たに高速計算サーバを購入し、計算機環境を整備する。また、国内外の共同研究者との研究打ち合わせ並びに成果発表を行うための旅費を使用する。
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Research Products
(10 results)