2013 Fiscal Year Annual Research Report
高密粉体ダイナミクスの非平衡輸送における応答理論と動的多体相関による統一的解明
Project/Area Number |
23740293
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
礒部 雅晴 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80359760)
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Keywords | 粉体気体 / 非平衡輸送現象 / 応答理論 / 分子動力学法 / 動的多体相関 / 国際情報交換(フランス) / 国際情報交換(米国) |
Research Abstract |
粉体気体系は、局所非平衡系の統計力学を推進する理想モデル系として大きな理論的発展が期待されている。また高密系では「ジャミング転移」が注目され、ガラス転移との関係が盛んに研究されている。本研究では、理論と大規模計算機シミュレーション双方から、粉体系の新しい方法論の開発と全密度領域の輸送現象の統一的解明を目的とし研究を遂行している。本研究は(A)粉体応答理論の確立、(B)高次元、高密度、重力、境界の影響の考察、 (C)粉体気体の乱流化と統計則や起源の探索、(D)高密粉体系の多体相関関数による新しい方法論の確立、「ジャミング転移」「Bose凝縮様な現象」の微視的起源を解明、の4つのステージで構成される。 平成25年度は研究計画の最終年度でありステージ(D)を中心に、(i)高速計算機環境構築、(ii) Chandler氏のグループ(U.C.Berkeley)と「2成分2次元高密剛体球系における非平衡(ガラス)転移」の共同研究、(iii)Krauth氏(ENS-Paris)と「Event-Chain MC法との高速ハイブリッドコードの確立」「高密準2次元剛体球系融解」「3次元剛体球相転移の微視的解明」等の共同研究を遂行した。また(iii)に関連してKrauth氏ら、Glotzer氏(ミシガン大学)らと、50年来の難問「2次元剛体球系の融解現象」に関する日米仏国際共同研究を遂行した。世界3極の強力な手法による世界最大規模の計算を行い問題の解明に大きく貢献した(Engel&Anderson&Glozter&Isobe&Bernard&Krauth, PRE(2013))。本成果は、フランス国立科学研究センターからプレスリリースが刊行されるなど世界的に大きな注目を集めた。平成25年度は、論文1、解説論文2、国際会議3、国内会議2(内招待講演1件)の講演を行い、得られた成果を発表した。
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Research Products
(9 results)