2013 Fiscal Year Annual Research Report
浸液透光法-PTV法を用いた高速剪断場の懸濁液内部構造その場観察手法の開発
Project/Area Number |
23740304
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
西浦 泰介 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球内部ダイナミクス領域, 研究員 (60509719)
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Keywords | レオロジー / 可視化 / 微粒子 / 懸濁液 / 混相流 |
Research Abstract |
固体微粒子懸濁液のレオロジー特性と懸濁液内で形成される粒子構造との関係を明らかにすることは、微粒子懸濁液を用いる材料プロセスを制御する上で重要である。本目的を達成するためには、せん断流動している懸濁液内部で、粒子濃度やせん断速度によって粒子構造が変化していく過程を可視化する実験装置および手法の新規開発が必要である。 本開発を成功させるためには、せん断流動している懸濁液内部の任意断面に存在する粒子を、他の位置に存在する粒子によって遮蔽されることを防ぎながら、顕微鏡レンズで拡大して高速動画撮影を可能にすることが必須である。そこで、浸液透光法の原理を応用して、懸濁液内部の可視化を阻害する粒子を透明化する方法を採用した。本手法では粒子とその粒子を懸濁させる液体の屈折率が近いほど透明性を向上させることができる。そこで、PMMA粒子に対して屈折率の異なる2種類のシリコンオイルを適切な割合で混合することで、PMMA粒子がシリコンオイル中で完全に沈殿した高濃度状態であっても、非常に高い透明性を有した懸濁液の作成に成功した。さらに、粒子の重力沈降の影響を可能な限り削減するための方法も考案した。まずシリコンオイルによる油性懸濁液を高濃度塩水上に極少量滴下することによって、塩水上に懸濁液の薄い膜を形成させる。そこにPIV可視化用レーザーを照射することによって、重力沈降の影響が少ない疑似的な2次元挙動を可視化することが可能になった。 以上、当該年度は昨年度までに存在していた課題を踏まえ、懸濁液中の粒子構造および流体流れの可視化手法を改良した。本改良手法を、これまでの研究期間を通して開発してきた実験装置と組み合わせることで、せん断流動状態にある懸濁液中の粒子-流体挙動とレオロジー特性の関係を評価することが可能になると考えられる。
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