2012 Fiscal Year Annual Research Report
2成分ボーズ凝縮体の対向超流動による界面不安定性発生
Project/Area Number |
23740308
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
東條 賢 中央大学, 理工学部, 准教授 (30433709)
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Keywords | 2成分ボーズ凝縮実験 / 微小領域の相互作用 |
Research Abstract |
2012年度より現大学へ異動したため、実験データの解析と装置の再開発を主として研究立上げを行った。 前年に行った2成分実験データの解析を行った。相互作用制御可能なフェッシュバッハ共鳴磁場付近のデータ解析を行い、環境磁場による影響を評価した。結果、理論的な共鳴幅である数mGに比べ実験データは十数mG程度と広くその差が環境磁場による変動であることで説明できた。また2成分ボーズ凝縮体ダイナミクスの擬似3次元の数値計算を行った。不安定波数が外部から印加したポテンシャル勾配の依存性を示しており、2成分間の運動量交換を定性的に示すことができた。 装置の再製作については、光源、真空装置、および磁場制御の改良を行った。光源については自作半導体レーザー装置を改良し温度の高安定化を実現できた。安定化回路作製のために基板作製機を導入し、レーザー周波数を100kHz程度まで制御装置を制作できた。冷却光と観測光の周波数および強度安定化を実現できた。真空装置については磁場の影響を考慮しガラスセルを主とした開発を行った。真空度は10^-8Paを達成しておりボーズ凝縮実験に十分な環境を整えている。環境磁場を抑えるための非磁性防振台および周辺機器の導入を行っている。また凝縮体の原子数の不安定化を生じさせていた環境磁場制御装置の開発も行った。微小磁気センサを用いた自作磁気プローブを製作し性能評価を行い1mG以下まで計測できることを確認できた。 また2成分間の相互作用領域は1μm以下であることから近接場の観点から解析および数値計算を行った。2成分の内部状態間の遷移には磁気双極子遷移を用いており光学禁制遷移の理解が必要であった。そのため近接場中の光学禁制遷移による遷移レートを理論的に導出し波数依存のレート増幅を導き、高次の光学禁制遷移の効果を定量的に評価した。結果、局所的な相互作用制御の可能性を示した。
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