2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23740315
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
藤井 修治 長岡技術科学大学, 工学部, 助教 (40401781)
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Keywords | 二分子膜 / スポンジ相 / ラメラ相 / 構造転移 / レオロジー |
Research Abstract |
二分子膜系ソフトマターの非線形レオロジーは、欠陥が強く関与する。欠陥が関与するレオロジーを「構造レオロジー」と呼び、二分子膜系メソ構造体のレオロジーを体系化することを目指している。本研究では、拡散波分光法によるマイクロレオロジー装置を作成し、非イオン性界面活性剤C10E3水溶液系のラメラ/スポンジ転移、リン脂質DMPGが形成する共連結構造について、欠陥の関与を明らかにすることを目的とした。 拡散波分光装置に平行平板流動セルを組み込み、ずり流動が誘起する非平衡構造のマイクロレオロジー測定を可能にした。また動的光散乱による同様のマイクロレオロジー手法の開発に取り組んだが、粘弾性体では拡散係数の周波数依存性のために正確なマイクロレオロジー測定が困難になることがわかった。 C10E3膨潤ラメラ相のラメラ/スポンジ相転移点近傍で動的光散乱測定を行い、スポンジ相形成とともにスローモードが現れ、このスローモードが粘性率の上昇に起因することがわかった。 リン脂質DMPGベシクル分散溶液は、温度を変数として粘弾性挙動が劇的に変化する。これは二分子膜のゲル/液晶転移によりベシクル構造に変化が生じるためと考えられる。流動下において昇温過程と降温過程の粘度を測定すると、ベシクルの変形に強い履歴が生じるために異なる温度依存性を示すことを見出した。また二分子膜が液晶状態にあるベシクル分散系でシアシックニング挙動が現れることを見出し、流動によるベシクル構造転移が存在することを示唆する結果を得た。
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Research Products
(12 results)