2013 Fiscal Year Annual Research Report
相分離ベシクルの張力誘起構造転移と単分子膜結合挙動
Project/Area Number |
23740316
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
濱田 勉 北陸先端科学技術大学院大学, マテリアルサイエンス研究科, 准教授 (40432140)
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Keywords | 相分離 / 脂質膜 / ベシクル / リポソーム |
Research Abstract |
生体系における膜ドメイン制御の物理機構を解明するには、膜と分子のダイナミックな相互作用の理解が重要となる。そこで、平成24年度の成果であるナノ粒子-脂質膜相互作用(Hamada et al., JACS 2012)の実験系を発展させ、アルツハイマー病に関わるアミロイドβペプチドと人工膜リポソームとの相互作用解析を行った。相分離により流動性の異なる領域が共存するリポソ-ムを作製し、ペプチドを添加した。光学顕微鏡観察の結果、ペプチドはリポソーム膜面の柔らかい領域(disorder相)に選択的に局在することが分った。そして、リポソームはドメイン領域(order相)を出芽させる変形ダイナミクスを示した。この出芽ダイナミクスは、細胞の物質輸送であるエンドサイトーシス機能を人工的に再現したものである。また、リポソーム膜面内でブラウン運動する膜ドメインの挙動を解析したところ、ドメイン拡散係数の減少および膜の粘性増加がペプチドにより引き起こされることを見出した。これは膜張力等の物性変化とドメインダイナミクスの密接な関係性を示している。また、このアミロイドβペプチドは自己会合特性を持つが、オリゴマー状態のペプチドが最も膜変形を引き起こすことが明らかとなった。成果は、PhysChemChemPhys誌に掲載された。 また、実験システムである細胞サイズリポソームの形成メカニズムの解明に取り組んだ。油中液滴がリポソームへ移行するダイナミクスの詳細を検討し、実験と理論の両面から移行メカニズムを明らかにした。細胞サイズの約10μmという大きさが、液滴からリポソームへの移行に最も効率が良いという興味深い知見が得られた。成果は、Soft Matter誌の表紙を飾った。
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[Journal Article] Antimicrobial activity and mechanism of action of a novel cationic α-helical dodecapeptide, a partial sequence of cyanate lyase from rice2013
Author(s)
Norihiro Takei, Nobuteru Takahashi, Tomohiro Takayanagi, Atsuo Ikeda, Kenji Hashimoto, Masahiro Takagi, Tsutomu Hamada, Eiichi Saitoh, Akihito Ochiai, Takaaki Tanaka, Masayuki Taniguchi
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Journal Title
Peptides
Volume: 42
Pages: 55-62
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] 生体モデル膜におけるドメイン形成と酸化コレステロール2013
Author(s)
乾 航, Phan Huong Thi Thanh, 依田 毅, 下川 直史,Mun'delanjii C. Vestergaard, 濱田 勉, 高木 昌宏
Organizer
日本化学会北陸地区講演会と研究発表会
Place of Presentation
北陸先端科学技術大学院大学(石川県)
Year and Date
20131122-20131122
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