2013 Fiscal Year Annual Research Report
繰り返し地震データから推定するプレート間カップリングの決定要因
Project/Area Number |
23740328
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
内田 直希 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (80374908)
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Keywords | 小繰り返し地震 / プレート間カップリング / プレート境界地震 |
Research Abstract |
本研究の実施期間内に発生した2011年東北地方太平洋沖地震のすべり域内での過去の地震活動は,プレート境界が固定的な固着域と非地震性すべり域に単純に分けられない可能性を示唆している。本年度は余効すべりが、繰り返し地震の破壊過程に与えた結果を整理し,まとめた.2011年東北地方太平洋沖地震前後の繰り返し地震の規模について見ると,この地震の余効すべりが大きい領域で,繰り返し地震のマグニチュードが大きくなっている傾向が明らかになった.また,これらの規模が大きくなった繰り返し地震は,東北地方太平洋沖地震以降,多数発生しているものが多く,非地震性すべりの加速(余効すべり)が繰り返し地震の規模の増加に寄与していることが明らかになった.規模変化の詳細を調べるために,東北地方太平洋沖地震後,マグニチュードが最大1増加した,岩手県釜石沖の繰り返し地震について調べると,そのすべり域が地震前に比べ広がっていることが分かった.この結果は,同じ場所においてもプレート間のカップリングの解消が,地震性すべりによる場合と非地震性すべりによる場合の2通りありうることを示す。これはこれまでの繰り返し地震のすべり域の周囲に条件付き安定すべり領域が存在していることで説明できる.このような,ローディンレートに依存するすべり特性の変化は,今後地震の時期だけでなく規模の予測にとって重要である.この結果は,Jourrnal of Geophyscal Research に投稿し,現在revise中である.また,2011年東北地方太平洋沖地震前のスロースリップについて情報を整理することにより,カップリング域での固着の変化について事実関係を明らかにした。
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