2013 Fiscal Year Annual Research Report
磁気嵐時におけるグローバル地磁気変動と電離圏擾乱ダイナモに関する研究
Project/Area Number |
23740369
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
新堀 淳樹 京都大学, 生存圏研究所, 特定研究員 (30555678)
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Keywords | 磁気嵐 / 対流電場 / 赤道ジェット電流 / 電離圏擾乱ダイナモ / 地磁気変動 / 電離圏電流 / オーロラ活動 / 磁気赤道 |
Research Abstract |
磁気嵐時に見られる全球地磁気変動は、磁気圏を流れる電流によるものに加えて太陽風磁気圏相互作用によって極域電離圏に持ち込まれる大規模な電場が駆動する電離圏電流とオーロラ活動に関連した電離圏擾乱ダイナモ電流によるものと考えられている。しかしながら、両極域から赤道域に至る広範な領域をカバーする綿密な地磁気データ解析の不足から、磁気嵐の発達期と衰退期に見られる地磁気変動の特徴やその要因について完全には理解されていない。そこで本研究では、磁気嵐時の全球地磁気変動の特性を調べるために、2002年の1年間に発生した磁気嵐について両極域から赤道域における地磁気データの解析を行った。このとき、地磁気変動の原因とされる電離圏電流の分布を推定するために、世界地図上に等価電流ベクトルを描き、その時間発展を調べた。 その結果、磁気嵐の発達期における等価電流分布は、中緯度から極域において、磁気圏対流電場の強まりに伴って明瞭な2セル型の構造を持ち、その渦の中心が磁気嵐の大きさに依存して低緯度側に移動する傾向が見られた。そして、その影響が磁気緯度30度付近の低緯度領域まで広がっていることが明らかになった。一方、磁気嵐の衰退期の初期段階における等価電流分布は、これまで支配的であった2セル型の電流分布がはっきりしなくなり、極冠域と中緯度領域に磁気嵐の発達期のものとは極性が反対の電流構造が出現していた。さらに、昼間側磁気赤道域では、西向きの赤道ジェット電流成分が強まっていた。特に、中緯度に出現した電離圏電流渦の特徴は、従来の電離圏擾乱ダイナモ電流の作る電流分布と異なっており、磁気圏を流れる非対称環電流につながる領域2型の電流系によるものと考えられる。よって、本研究における重要な成果の一つとして、全球地磁気変動分布を参照することにより、磁気嵐時の西向き赤道ジェット電流の起源を分離・同定したことが挙げられる。
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[Journal Article] 超高層物理学分野のメタデータ・データベースへの連想検索の適用2014
Author(s)
小山幸伸,阿部修司,八木学,梅村宜生,堀智昭,新堀淳樹,佐藤由佳,家森俊彦,田中良昌,橋口典子,上野悟,谷田貝亜紀代
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Journal Title
宇宙科学情報解析論文誌
Volume: 3
Pages: 印刷中
Peer Reviewed
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[Journal Article] Analysis software for upper atmospheric data developed by the IUGONET project and its application to polar science2013
Author(s)
Yoshimasa Tanaka, Atsuki Shinbori, Tomoaki Hori, Yukinobu Koyama, Shuji Abe, Norio Umemura, Yuka Sato, Manabu Yagi, Satoru UeNo, Akiyo Yatagai, Yasunobu Ogawa and Yoshizumi Miyoshi
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Journal Title
Advances in Polar Science
Volume: 24
Pages: 231-240
DOI
Peer Reviewed
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