2012 Fiscal Year Research-status Report
磁気圏プラズマ環境に起因したオーロラの複雑・多様性の検証
Project/Area Number |
23740371
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Research Institution | Kochi National College of Technology |
Principal Investigator |
高田 拓 高知工業高等専門学校, 電気情報工学科, 准教授 (80455469)
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Keywords | 国際情報交換 |
Research Abstract |
本研究では、オーロラの神秘の元となっている、複雑性・多様性の原因を探ることを目的としている。オーロラを光らせるプラズマ粒子は、宇宙空間から降り込んできており、地球磁気圏での爆発現象であるサブストームに伴って、極域電離層ではオーロラが見られる。本研究では、れいめい衛星によって観測された降り込み粒子とその粒子が光らせたオーロラの同時観測データを解析することで、オーロラの複雑性の謎に迫った。 当該年度には、複雑なオーロラの1つである、波動構造や渦構造を伴うオーロラ観測に注目し、上空での降り込み粒子の関係を統計的に調べた。その結果、波動構造が見られる際には、特徴的な降り込み粒子のパターンが3つあることが分かり、統計的に、それらの頻度などをまとめた。得られた結果は、学会で発表し、現在、論文執筆中である。 また、降り込み粒子を上空で加速する加速領域の構造を調べるために、降り込み粒子のエネルギー変化から、電場などを推定し、加速領域の電場強度がオーロラ構造の発達・成長に何らかの役割を果たしていることが示唆された。結果については、学会での発表予定であり、次年度中に、成果を論文にまとめる予定である。 さらに、磁気嵐時に顕著に見られるエネルギー帯域の広い低エネルギー粒子の降り込みに関しても、調査中である。低エネルギー粒子の降り込む場所や時間、降り込み間隔などを調査し、それらの粒子が、オーロラ構造に与える影響を定量的に確認中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画の遅延に伴い、補助事業期間の延長を申請させて頂いた。研究自体は進んでおり、成果も上がっているが、1年間の期間延長をすることで、十分な研究と論文等へのまとめが可能となる。
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Strategy for Future Research Activity |
れいめい衛星の同時観測データの解析が進んでおり、その成果の論文等へのまとめを行う。さらに、多領域の衛星観測との組み合わせ解析を行い、オーロラの複雑性の原因をより広汎にわたる調査から明らかにしていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度に関しては、未使用額の使途を主に、新しい解析サーバの設置と、学会等における発表、及び、論文成果などの公表のための費用に充てたい。
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Research Products
(5 results)