2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23740402
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
古川 善博 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (00544107)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 隕石 / アミノ酸 / 初期地球 / 衝突 |
Research Abstract |
炭素質隕石の海洋衝突を模擬するため、一段式火薬銃を用いて約1 km/s の衝突回収実験を行った。装置は物質・材料研究機構に設置されている一段式火薬銃を使用させて頂いた。この装置はこれまでにも隕石の海洋衝突を模擬した実験が行われており、申請者も使用実績がある(Nakazawa et al.EPSL 2003; Furukawa et al. Nature Geoscience 2007, EPSL 2009)。出発試料には模擬炭素質隕石組成の鉱物混合粉末と炭素質隕石から検出されたアミノ酸やカルボン酸などの有機物の水溶液の混合物を用い、これを銅製の衝突容器に封入し、実験を行った。実際の実験を行った際には、液体の量が多い試料で、回収容器の損傷が激しく、旨く回収できないことが判明した。この問題を解決するため、23年度は初めに液体用衝突回収容器の開発を行った。設計、実験、改良を何度か繰り返し、液体用衝突回収容器の開発にせいこうした。この衝突回収容器は試料室が非常に小さいため、これに適した試料の抽出方法も併せて検討した。この改良衝突容器を用いて、模擬炭素質隕石組成の鉱物混合粉末と炭素質隕石から検出されたアミノ酸やカルボン酸などの有機物の水溶液の混合物から成る出発試料に衝撃波を与え実験を行った。現在は回収した試料容器から対象とする有機物を抽出して、LC/MS (東北大学設置)を用いてアミノ酸、アミン、核酸塩基、糖類の分析を行うっているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
地震の影響により、実験装置および分析装置が使用出来ない期間があり、やや遅れが出ていたが、年間を通しては概ね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度は23年度に開発した試料容器を用いて、多種の模擬炭素質隕石組成の鉱物混合粉末と炭素質隕石から検出されたアミノ酸やカルボン酸などの有機物の水溶液の混合物から成る出発試料の衝突回収実験と生成物の分析を繰り返し行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
24年度は23年度に開発した試料容器の作成、実験および研究成果発表の為の出張に研究費を充てる計画である。
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Research Products
(9 results)