2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23740402
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
古川 善博 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (00544107)
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Keywords | 隕石 / 衝突 / 有機物 / アミノ酸 |
Research Abstract |
隕石の衝突現象では隕石やその周辺の物質が短時間のうちに高温高圧の環境にさらされる。この現象は隕石に含まれる有機物や衝突地点に存在する有機物に化学反応を起こす駆動力を与える可能性がある。しかし、隕石の衝突を有機合成の反応場ととらえた研究は非常に少ない。 本研究では、隕石の衝突にで引き起こされる衝撃波によりギ酸やメチルアミンなど単純な有機物が反応して、アミノ酸などのより複雑な有機物が生成するのかどうか、生成する場合にはどのようなアミノ酸が生成し、衝撃圧力や温度がその生成量にどのように影響を与えるのかを定量的に明らかにするために、衝突実験容器の開発とその容器を用いて衝撃回収実験を行った。 平成25年度は前年度までに作成した容器に13Cでラベリングしたギ酸、炭酸水素アンモニウム、メチルアミンおよびアンモニアなどの混合物を封入し、0.7-0.9 km/s の速度で金属板を衝突させた。これにより、発生した衝撃波を試料に与え、回収した試料は分析対象であるアミノ酸、カルボン酸、アミンごとに適切な抽出を行い液体クロマトグラフィー・タンデム型質量分析計を用いて分析を行った。 分析の結果、グリシン、アラニンなどのタンパク質構成アミノ酸や複数のアミンの生成が確認されたが、核酸塩基の生成は確認されなかった。また、これらの生成物の衝突速度依存性も明らかになった。この結果は、隕石に含まれるアミノ酸などの有機物の少なくとも一部は衝突により生成したことを示唆するものであり、また、生命誕生前の海洋での隕石衝突によりギ酸とアンモニアから複数のアミノ酸が生成することを示すものである。 これらの結果を基にした論文を現在執筆中である。 この他にも、隕石衝突による還元的揮発性物質の生成や、ホウ酸によるリボースの安定化に関する研究を行い国際誌に論文を執筆した。
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[Journal Article] Exploration of Enceladus’ water-rich plumes toward understanding of chemistry and biology of the interior ocean.2014
Author(s)
Sekine Y., Takano Y., Yano H., Funase R., Takai K., Ishihara M., Shibuya T., Tachibana S., Kuramoto K., Yabuta H., Kimura J., Furukawa Y.
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Journal Title
Aerospace Technology Japan, The ISTS Special Issue of Transactions of JSASS
Volume: in press
Pages: in press
Peer Reviewed
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