2012 Fiscal Year Research-status Report
プラズマ揺らぎとナノ界面特性揺らぎの相互作用ダイナミックス
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23740408
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
鎌滝 晋礼 九州大学, 基幹教育院, 助教 (60582658)
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Keywords | プラズマ / 高速度カメラ / 時空間構造 / ナノ粒子成長 / 相互作用 / 揺らぎ / 構造解析 / 二次電池 |
Research Abstract |
本研究は、「プラズマ揺らぎとナノ界面特性揺らぎの相互作用ダイナミックス」の解明を目的に、研究を推進してきた。今日のプラズマを用いたナノテクノロジーの世界的進展によりULSI、高密度メモリー、MPU、バイオセンサーやソーラーセル等のナノサイズデバイス創成が可能である。しかし、それらのナノデバイスの微細化の進展に伴い、プラズマの揺らぎとナノ界面の特性の揺らぎ(ばらつき)が重大な問題となっている。サブナノメータ(1nm以下)領域の微細加工寸法の揺らぎはプラズマ揺らぎとナノ界面の相互作用長(またはそれ以下)で決定されているので、従来方法の入射電力やガス流等のパラメタ調整では制御困難であった。そこで本研究は、プラズマ気相中に揺らぎを外部から印加し、制御することで、プラズマ揺らぎの効果を体系的に明らかにした。 具体的には、高速度カメラを用いて、ナノ粒子量の揺らぎを計測し、ナノ粒子量の時空間構造を明らかにした。これにより、ナノ粒子が、プラズマ気相中の揺らぎによって、空間的にどのように影響を受け、どのように揺らぎ、そして、成長しているかが明らかになった。ナノ粒子揺らぎに構造解析を適用したことによる結果であり、プラズマ気相中におけるナノ粒子成長の研究において、新境地を開拓したと言える。 また、高速度カメラを用いることで、プラズマ揺らぎとナノ粒子輸送の関係も明らかにした。プラズマ揺らぎ度合いが大きい程、ナノ粒子は大きな速度をもって、輸送されることがわかった。そして、プラズマ揺らぎと固相中ナノ粒子特性の関係を明らかにするために、二次電池の電極を作成し、二次電池電極特性を計測した。電池容量、サイクル特性共にプラズマ技術作成したナノ粒子含有電極の方が、従来の方法よりも良い成果を出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
現在までの本研究の達成度は、当初の計画以上に進展している。 本研究は、1) プラズマ揺らぎと気相中ナノ粒子特性の相互作用、2)プラズマ揺らぎと固相中ナノ粒子特性の相互作用、3)プラズマ揺らぎと気相-固相間ナノ粒子輸送の相互作用、の定量的評価とダイナミックスの解明を目的としており、平成24年度は、2)プラズマ揺らぎと固相中ナノ粒子特性の相互作用、3)プラズマ揺らぎと気相-固相間ナノ粒子輸送の相互作用の解明に取り組んだ。 研究実績の概要で述べたように2)プラズマ揺らぎと固相中ナノ粒子特性の相互作用、3)プラズマ揺らぎと気相-固相間ナノ粒子輸送の相互作用を解明するだけなく、更に、プラズマ気相中の生成されたナノ粒子の時空間構造を明らかにしている。よって、本研究は、当初の計画以上に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究目的は、2)プラズマ揺らぎと固相中ナノ粒子特性の相互作用の更なる解明と、高速度カメラを用いたプラズマ揺らぎによるナノ粒子の詳細な時空間構造の理解である。 2) プラズマ揺らぎと固相中ナノ粒子特性の相互作用の定量的評価の推進方策について 固相中ナノ粒子特性は以下の項目を評価する。カッコ内は計測装置・方法を示す。①膜の表面粗さ(AFM)、②膜の組成(X線分析)、③ナノ粒子のサイズ(TEM,EDX)、④空孔率(電子顕微鏡)、⑤膜の付着力(スコッチテープ)、⑥比誘電率(短波長エリプソメトリ)、⑦機械的 強度(AFM)である。計測方法も既に確立済であり、計測における大きな障害はない。これによりプラズマ揺らぎと固相中ナノ粒子特性の相関関係を解明する。プラズマ揺らぎのみの効果を明らかにするために、多変数の相関を取る偏相関係数も使用する。 新たな課題に挙げた高速度カメラを用いたプラズマ揺らぎによるナノ粒子の詳細な時空間構造の理解の推進方策は、レーザー散乱法を用いて行う。放電OFF後のナノ粒子量の2次元ダイナミックスを高速度カメラで計測し、凝集、輸送過程の経時変化から揺動解析を用いて、上記項目において、結果をまとめ、論文を執筆し、研究成果発表を国内外の会議にて行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今後の研究の推進方策においても述べたが、次年度は、プラズマ揺らぎと固相中ナノ粒子特性の相互作用の更なる解明と、高速度カメラを用いたプラズマ揺らぎによるナノ粒子の詳細な時空間構造の理解を行う必要がある。固相中なナノ粒子特性の計測とナノ粒子揺らぎの時空間構造の計測には、多くの計測用の備品が必要である。また、昨年度購入のフォトロン製の高速度カメラを使用する。また、研究発表の為の旅費が必要である。 よって、次年度は、研究推進の為の計測用備品と成果発表の為の旅費を予算の大半として計上する。
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